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  • 2014.04.04 Friday

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    短くも蜜月の如き日々(高知腎臓病患者友の会)

    • 2012.09.26 Wednesday
    • 17:21
     高知の透析患者さんの会(=高腎会)のイベント「ダベリ会」に招かれて週末は高知に赴いていた。
    夏の四国ブロックの会で、高腎会の会長さんと副会長さんとには懇意にさせていただき、
    意気に感じるものでもあったのでしょうかねえ、お招きしていただいたのだった。
    なんかそういう出会いって嬉しいよね。

    だからなんとか時間をひねり出して(裏には多大なる苦労あったのよ!)出かけたのだった。

    土曜日はいつもの様に朝から仕事で、昼の透析業務を終えて出発。
    相棒は愛腎会のK野さん。移植歴13年。
    二人はおないトシで、なんだこうだああだそうだと、うだうだ喋ってるうちに、あっというまの高知。

    「お箸の国」というこじんまりした店で、早速宴会ははじまったのだった。

    うわさのチャンバラ貝からスタート!
    「塩たたき」
    「たたきの燻製(これ絶妙!)」
    土佐ジローのオムライス」
    土佐ジローのとさかやらきんたまやら肝やらの刺身(キンタマふにふにで結構いける、トサカはちょっとコリコリ)」、
    これはと両手をあげたのが松山あげで作る「きつねめんたい」

    高知にも松山あげ普通に売ってるのに酔っ払った男二人は感嘆して
    そのサクサクのおあげに明太を薄く塗って、マヨネーズ垂らして焼き上げた、シンプルかつ深遠さに、また焼酎「なかなか」を頼むのでありました!

    ああもうひとつあった、「さんまの韓国焼き」!これも旨すぎやろ!


    ホテルに帰った野郎二人は、またふらふらと小雨の中、屋台を探して歩き始める。
    たまってたタクシーの運ちゃんに聞いて、雨やから開いてないかもよと言われながら教えてもらってなんとか1軒目を発見。
    「やすべえ」というお店だ。
    で、軒下に入った瞬間ザーザー降り。
    そこはテント3つくらいの屋台で、まったく普通の店みたいなテーブル席で、そんでもって土曜の夜なんで大勢の人たち。
    「餃子食べに来たんヨォ」という同年代の看護婦さんと、まさにカリッカリの餃子とおでん盛り合わせを食いつつビールを飲んでだべって帰る。
    横のカップルには話しかけれれませんでした、おじさんたちは。
    ええな〜若者屋台でデートかいな、とかね。
    おお、もうさすがにお腹いっぱいでラーメンは食えんぞ。


    さて翌日。

    10:00-12:30がダベリ会。28名の参加。
    しかしながら、患者さんひとりひとりの自己紹介と透析ライフの告白(?)だけで、2時間が過ぎてしまってちょん。
    高知のヒトはこゆいわい(笑)!
    それからみんなで机を並べて弁当食って、
    13:14:30まで自分の「患者さんもスタッフも納得する透析を目指して」という講演と質疑応答とで、あっという間に時間が過ぎ、会は終わったのだった。
    スーパーで地元高知の酒「桂月蔵出原酒」を購入して、ついでにPA「石槌山」で「伯方の塩大福」を購入して、無事帰り着いて、そのままバタンキューでした。

    高腎会の方々、連れてってくれたK野さん、ホントに有難うございました。
    短くっても蜜月みたいな旅でしたよ。

    第23回愛媛人工透析研究会

    • 2012.08.27 Monday
    • 18:39
     土曜日は、第23回愛媛人工透析研究会でした。

    場所は新しくできたばかりの愛媛県医師会館。
    ゴージャスなホールでした(自動販売機もなかったよぉ)。

    うちの若頭(透析室長)が座長するのと、演題が二題ありましたので、早く駆けつけました。
    2時半から7時過ぎまで延々と聞いていたのですが、特別講演の赤十字病院の山岡先生の「透析患者と重症下肢虚血」は非常にインパクトのある話でした。
    実際の切断肢の写真とか、 interventionの風景とか、動画もなかなかびっくりでした。
    でもこういった写真見てると、あー俺も手術してぇよな〜と外科(泌尿器科って外科なんですよ)になった時の事を思い出しました。
    最後にシャント自分の病院で作ったのってもう何年前になるのか・・・。
    懇親会で、日赤血管外科3人衆と歓談したのですが、みんな仕事を楽しみながら命かけてやってる、本当うれしそうに話すよねこの人たちという、すごい頼もしい感じでした。
    まぁそれからいつものようにへべれけコースになったわけです。

    「しでん」で、うまい串カツ喰って、
    似顔絵を描いて、
    のり庵のカウンターで撃沈して、突っ伏していました。

    当院の演題は、以下の2題でした。

    「MFX-21SecoのonlineHDFにおける補液流量が物質除去に与える影響」
    透析液Ca2.75mEq/L変更後における血清Ca・P・iPTHの変化」

    HDehime2012.jpg

    (写真は寡黙に座長を続けるH病院のM田先生)

    最後に酔ったついでの愚痴を・・。

    みんな切磋琢磨してるんだよ、
    たとえ上に登れないとしても、前を向いとかなきゃダメなんだよ、死ぬときは前向いて目は見開いて倒れおちんとイカンやろ、っていう、
    当たり前のことにあらためて気付かされたっていうか、なんでそんなこと今更気づかされるんだよ、気づいとけよっていうか、そんなコトドモが頭をグルグルめぐり、
    一生なんて長いようで短いんだよだったら今を精一杯乗り切って次の瞬間を迎えるしかないだろうがバカヤロー、っていうような、
    そんな混沌とした感情どもが振りきれて飛んでいきつつまだ戻りつの、ドロヘドロの、楽しくって悲しいなんだかわけのわからん一夜でした。

    「マルドゥック・スクランブル」漫画版のほうが完結したのでとりあえず購入しました。
    文庫の前作の方も、寺田克也さんの表紙でリニューアルされるとのことなのでこちらも読んでみたいです(あくまで希望)。
    そうやって部屋には本がどんどん積まれてゆくのです・・。

    「腎性貧血治療を再考するー赤血球造血の観点からー」 2012/08/07【追記】

    • 2012.08.07 Tuesday
    • 18:24
     
    キリンのサイトで水口隆先生のセミナーの抄録を読む。
    ちょっとの手間で、現場にいなくってもこういった情報を得られるのがネット社会の強みだ。
    でも、それもこれも、生の先生のご講演を拝聴して、心の琴線に響いたからこそ出来る技ではある。
    感謝。深謝。

    通常の赤血球造血では、ある程度まで細胞分化が進んだ状態で多く作られた前駆細胞が、成熟直前でアポトーシスによって死滅し、成熟赤血球まで分化するものをほんの一部とすることによって、赤血球の数を調整している。
    通常の生体においては、いったん、貧血とか低酸素状態が生じると、内因性のEPOの産生が亢進して、赤血球造血が促進されるとともに、成熟直前のフェーズでのアポトーシスも抑制される。
    そのため短期間で多くの赤血球産生が可能になるというメカニズムだ。

    さて、透析患者においては、

    ■慢性炎症が、幼若赤芽球のアポトーシスを促進している。
    ■赤血球寿命が短縮している。
    ■それを補うだけの血中EPO濃度が上昇しないため、貧血の程度に対して相対的にEPOが不足している。

    そのため、外因性のEPO(エポジンとかネスプとかミルセラ)を補充してやる必要がある。

    JSDTのガイドラインではHb10-11(若年者においては12まで)を目標値として定められており、
    2010年末のデータではHb10.49g/dlである。
    しかし30%の患者はこの目標値を達成できていない。
    当院の平均値は10.71で、Hb<10の患者さんは約17%だった。

    これを解決するには、ESA低反応性の症例や、Hb変動幅の大きい患者に対するアプローチを強化する必要がある。
    そして、それに対する、提言を水口先生はされたのだった。

    参考資料

    写真は何ら関係ない、松茸を網で焼いている光景。なんて贅沢なんだろうの松茸ご飯の完成です。
    普通の松茸ご飯の上に、さらにこうやって焼いてから割いてまた焼いた松茸を豪快にのっけるのでした。
    非難GOGO!

    「腎性貧血治療を再考するー赤血球造血の観点からー」

    • 2012.08.05 Sunday
    • 13:35

     「腎性貧血治療を再考するー赤血球造血の観点からー」
    鴨島川島クリニック 院長 水口隆先生

    昨夜はキリン主催の講演会だった。

    松山の土曜夜市も昨日が最後で、町には人が溢れていると思われる・・が、会場は140人くらいの大盛況。
    おお。
    キリンさん、力はいっとんねえ!

    キリンといえばNespで、
    ライバルの、月一回投与というなりものいりで出たミルセラも思ったよりぱっとしないけど、今更Nespの話を聞いてもねえ、といささか及び腰で出かけたのも事実。

    でも、演者があの水口先生だから期待は十二分。

    水口先生はご専門が血液内科で、透析患者の腎性貧血に対する鉄の投与について、知見や論文には随分お世話になった。
    で、当院では1/wの鉄剤投与をベースにして、2/M、1/Mという投与法にしている。
    あとで、先生に伺った話では、1/w投与だとそんなに酸化ストレスを気にしなくてもいいとのことだったし。

    CKDにおいては、赤血球寿命が通常人の120日の半分の60日(eGFR5)まで短縮している。
    そして、エリスロポエチンが欠乏している。
    この2つの理由で、腎性貧血が生じている。
    そのため、エリスロポエチン製剤を使用して、半減した赤血球寿命を補うだけの造血を促進してやる必要がある。

    ここで目からうろこだったのは、エリスロポエチンは細胞のアポトーシスを抑制する方向に働くということ。
    赤血球産生過程において、エリスロポエチンは赤血球生前駆細胞(BFU-E,CFU-E)に作用するため、そこから、赤芽球、網状赤血球を経て、成熟した赤血球に分化する7-14日のサイクルでの投与が理にかなっているということなのである。

    ねっ、目からうろこでしょ!

    そんな訳で、造血サイクルを考えると、Nesp1/1-2w投与が理にかなっているのである。
    そして、epoの効果が出てきて安定するまで1Mくらいはそう簡単にいじらんということも大事なのである。
    (下がり過ぎたり上がりすぎたりしなければ以前からの2回の流れで投薬量考えなさいよということか?)

    その後川島クリニックでのデータが提示されたのだけど、その後の実に細かい分析がまた聞き惚れてしまった。
    当院でも平均Hb10.9と決して悪いデータではないが、そこまで細かく分析できているかというと?うーん、だからなあ。

    Hbをキープする上でのポイントは、
    Hbサイクリングを少なくすることが生命予後にいい
    ESA低反応性貧血を減らすことが重要
    (定義ではepo9000/wあるいはNesp60/w使用しても貧血が改善されないものを低反応性という)

    もう一度当院での投与を見なおしてみようと思って帰ってきた次第である。

    水口先生、ありがとうございましたm(__)m。

    暑い日曜日、透析患者会で講演させていただきました。

    • 2012.07.16 Monday
    • 13:00
    aijinkai1

     土曜は連休の初日のせいかえらく渋滞だった。
    おかげで家から道後まで1時間以上かかった。
    「全腎協四国ブロック会議」という透析患者会の幹部会の懇親会にお呼ばれしたのだ。

    道後「にぎたつ会館」で、四国四県の会長が並ぶ円卓に混ぜていただいて、やや緊張したおももちで宴会は始まった。
    その夜はマハタのフルコースを頂き、
    やがて、いつものようにアルコールでぐるぐるになって、いろんなテーブルを移動して、いろんな透析患者さんと語らって、酒のんで、盛り上がる。
    そのあとロビーに移動して、ツマミ食いながらまた焼酎。
    みんなダテに何十年も透析受けてない。
    透析云々の前に、人生の先輩もいれば同年代もいれば、若輩者もいる。それがなんだか楽しい。うれしい。

    翌朝も一緒に飯食って、そのあとでホントにフルで90分講演した。
    スライドは160枚。
    「患者さんもスタッフも納得する透析を目指して」というタイトル。
    (途中に松山案内のinstagram写真も入れたけど・・)
    その後の質問も途切れることなく、60分くらいずっと続いた。
    みんな熱心だし、自分のことを自分で考えようとしてる素敵な人達だった。

    生きてりゃ自分のことを自分で考えるというのは当たり前なんだけど、
    なんていうのかな、
    自分が受けてる透析っていう医療に関して、
    こうしたらいい、ああしたらいいって、自分で色々疑問を持って調べて、ヒトの話も聞いて、それで自ら提言するような、そんなポジティブな意志のことなんだ。
    ここで自分が感じたことは!

    でも会はまだ続く。
    それで終わりじゃなくって、そのあとでまたホテルでランチ食って語らってと、非常に濃密な時間過ごさせていただいた。
    自分は医者で、そちら側は患者さんだけど、なんだか遠くて近い戦友って感じがぴったりの表現なのかな?
    そして戦場で知り合ったばっかりなのに、もうお互いのことをわかったような気になってる自分と戦友たちは手を振り合って、各々の場所に帰っていったのだった。
    別々の戦場で戦っていてもきっと見ているものはそう違ったもんでもないんだろう。
    だから、また会ったら分かり合えるし、語らえるんだと思った。

    ヘビーでヘロヘロになったけど、いい時間を過ごせました。

    本当にありがとうございました。

    (写真は質疑応答に答える自分なんだけど、
    バックにぼんやりと写ってるのは最後のスライドで、
    松山検番の豪華メンバーさんと松山城天守閣で鼻の下のばしてとってもらった写真。
    こんな写真を折々に挟みながら話したんですよ・・。)

    aijinkai2

    常染色体優性多発性嚢胞腎 (久々に透析の話を・・)

    • 2012.03.18 Sunday
    • 17:13
     透析にいたる疾患の一つに多発性嚢胞腎というものがある。
    これは遺伝性の疾患で、腎臓の中に嚢胞が多数できてゆき、どんどんその容積が増えて、腎実質が少なくなり、腎機能が低下してゆき、透析にいたるというものだ。
    遺伝性だから、親がその疾患だったりすると、その素因は生まれながらにしてあるわけで、病期の進行を避けることとは難しく、かと言って、非常に効果的な治療法があるかというとそうでもない。
    ・・というハードな疾患である。

    現在、当院でも数名の患者さんがいる。
    血圧管理とか、ARBという種類の薬を用いて、経過観察させていただいている。
    やはり彼らのご両親は透析をされていたりする・・。
    自分だけではなく、自分の子供にまで遺伝する可能性があるのだから、彼らの苦悩は図る由もない。

    Short-term effects or tolvaptan on renal fundtion and volume in patients with autosoomal dominant polycystic kidney disease.(kidney international,2011)  
    という文献の日本語訳を読む。アメリカのメイヨークリニック中心の研究だ。

    常染色体優性多発性嚢胞腎の患者さんは、透析に移行する可能性が高い。
    動物モデルでは、バソプレシンV2受容体拮抗薬は疾患の進行を遅らせることが示唆されている。
    薬剤投与により、疾患を有する患者さん20名ににおいては、MRIによる評価で、総腎容積3.1%および個々の腎嚢胞容積1.6%を優位に減少させた。

    このクスリ、大塚製薬から『サムスカ』でリリースされており、現在の適応は、ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留、だ。
    細胞内のサイクリックAMP(cAMP)産生を抑制することによって、嚢胞が大きくなるのを抑制することにより、進行を止めるのではとのこと。
    現在、治験も行われているとのことである。

    この薬剤に進行抑制効果が認められ、治療薬の一つに加わるとホントにいい。

    ちなみに透析導入の第1位が糖尿病で、第2位が慢性糸球体腎炎、最近増えているのは動脈硬化による腎硬化症だ。
    腎臓治療の最終形態が透析治療なら、そこまで来ないように、その随分手前で踏み停まっていただきたいな、というのが一透析医の偽らざる感想だ。

    そして、透析医療というフィールドに来たなら、自暴自棄にならずに、その治療を受け入れて、よりよい透析生活をおくることを考えてもらいたいな、と、切に願っている。

    透析治療において、病気を拒絶することは、緩やかに死んでいくということにほかならないんだから。

    おお、この研究班に、福岡日赤の満生浩司先生(昔一緒に働いていろいろ教えてもらいました)が入ってるじゃないか!
    先生、頑張ってください!

    透析液Ca2.75mEqに変更して1ヶ月 その(2)

    • 2012.02.20 Monday
    • 12:37
      単なる個人的覚書です。

    Effect of Dialysate Calcium Concentrations on Parathyroid Hormone and Calcium Balance During a Single Dialysis Session Using Bicarbonate Hemodialysis:A Crossover Clinical Traial
    Am J Kidney Dis.2012;59(1):92-101

    イタリアの文献。

    一回の透析で、透析液Ca濃度2.5,2.75,3.0mEq/Lにおいて、1hrごとの患者血中Ca濃度・iPTHの推移をみた。
    3.0では、血清Ca濃度は2.5,2.75と比較して有意に上昇した。
    iPTHは2.5透析液群で上昇し、2.75,3.0では低下した。

    結論としては、Ca2.75mEq/L透析液が最も推奨される。
    その理由はCaバランスをわずかに正にもってゆくということと、透析中のiPTHレベルを安定させるからというものだ。

    日本のデータでは、Caバランスは2.79でバランスがゼロになるとされているものもある。
    (Yokoyama K et al:Nephron 92:86-90,2002)
    しかし、実際は、除水や酸塩基平衡などもからんでくるので、測定は困難であるとのこと。
    よく言われているのが、低Ca(2.5)透析液だと、iPTH分泌を促進するというものだが、上の文献にもあるように、2.75ではほとんど影響はないようだ。

    二次性副甲状腺機能亢進症に対して、活性型ビタミンD製剤という武器を我々は手に入れた。
    しかしそれらを使用すると血清Caは上昇する。
    そのため十分な投薬できない症例も経験することになる。
    だから、昔からあるCa含有リン吸着剤から、Ca非含有リン吸着剤(レナジェル)とかに変更して使用したりする。
    また、最近リリースされたシナカルセト(商品名レグパラ)のように、CaもPもiPTHも下げる方向に働くという画期的な薬もある。
    しかし、腹部膨満感で内服が難しい患者さんもいる。
    2.5だと、PTH分泌を刺激することになり、iPTHに対する治療を強化する必要が出てくる。
    で、透析液Ca濃度を3.0から中間の2.75に下げるという選択が生まれるわけだ。

    和歌山医大の重松先生のデータでは、
    透析液Ca2.75ではイオン化Ca変動はない。
    3.0→2.75経の変更では、iPTHの若干の上昇傾向が見られたが、ビタミンD製剤の投与量変更はなかったとのこと。

    また、ビタミンD投与が、生命予後改善や心血管イベントの発生抑制につながるというデータも出てきている。
    (ただしこれに関しては確定事項ではない)
    その点からも、透析液Ca濃度を下げて、ビタミンDをできうる限り投与するという戦略もアリなのかもしれない。

    まあ、これらの資料は、2.75の透析液を発売した扶桑薬品経由で手に入れた資料ばかりなので、
    いささか手前味噌な部分があることも否めないが、Ca2.75mEq/Lというのは悪い選択肢ではなさそうだということだ。


    院内新聞『ほおづき』原稿2012.1月号(透析患者さんに配ってます)

    • 2012.01.29 Sunday
    • 08:59
     混沌とした世の中は続いています。

    民主党がどうなのかといえばわかりませんが、谷垣さんがいくら叫んでも自民党を思い出す人もさすがに減ってきたのではないかと思います。
    右肩上がりの時代が世界中どこにもないという事実を受け入れる空気だけは濃厚になってきており、そんな中で消費税の増税が具体的話題になってきました。
    消費税と医療費は切っても切り離せないものになるようなムードですが、だからといって、国民医療費が右肩上がりになってゆくことは、ウエルカムとも言いがたいものです。
    いずれにせよ若者がより良く生きられるような社会を模索してゆくのが、年長者の努めだと思います。

    そのためには、この高齢化社会で医療費が拡大されるのはしょうがないとしても、いつも言うように、病気になってから『頼る』医療から、病気にならないように『予防する』医療へとシフトされなければなりません。

    ではすでに『透析』を受けられている患者さんではどうしたらいいのでしょう。
    それは、やはり、血圧管理・水分管理・栄養管理(十分透析してしっかりひいた上で栄養を保つ)、そして、下に述べるCa(カルシウム)・P(リン)の管理だと思います。

    今回は、我が国で進行中の、二次性副甲状腺機能亢進症を有する透析患者さん8229名を対象とした全国86施設の前向き研究『MBD-5D』の途中経過の報告を読みましたのでその報告です。
    この研究には、皆さんもご存知の佐藤循環器科も参加されているので、興味をひかれて読んでみました。
    iPTHが180を超す患者さん、ビタミンD(当院で言うとオキサロール注射)投与を受けられている患者さん、以上いずれか一方の条件を満たす方に対しての、3年間に及ぶ追跡調査というのが骨子です。
    これらの方々に関して、入院や心血管合併症などの患者予後に影響を及ぼす因子を同定し、患者予後の改善に資することが目的です。

    医学というのはやはり科学であり、医者は患者さん個人個人の状況において判断して、治療したりアドバイスしたりするのですが、
    やはりデータの積み重ねという客観的なものを振り返って、それを実際の治療に還元していかないと進化はありません。
    だからこういった研究は必要ですし、新しい知見を得るために、当院でもスタッフともども研鑽しております。

    さて、いつも言うように、リンやカルシウム、それに伴う二次性副甲状腺機能亢進症が引き起こす疾患は、最近では骨ミネラル代謝異常症(CKD-MBD)と呼ばれております。
    この疾患の何が悪いのかというと、透析患者さんの死因の第1位である心血管病変の発症と進展に深く関わっているからです。

    いろいろ難しい話なので、結果のみをはしょって言うと、
    やはりいったん副甲状腺の腫大(iPTHが高くなりだすと)が生じ始めると、骨ミネラル代謝異常症(CKD-MBD)のコントロールは困難になるということです。
    ですから、iPTH抑制のためにも、基本のリンコントロールは最も重要ということです。

    また、透析液濃度ですが、現在日本の透析施設で主流なのはCa3.0mEq/Lの透析液です。
    しかし透析液のCa濃度を下げることによって、
    リンコントロールのための炭酸カルシウム(当院ではカルタン)投与を増やすことができたり、
    静注ビタミンD製剤(当院ではオキサロール;オキサロール投与すると血清カルシウム上昇するため、投与が制限されることがある)高用量投与が可能となるため、
    iPTHおよび、CaやPのコントロール達成率も上昇したのではないかということでした。
    そしてその達成率の上昇が、心血管合併症の抑制になるということが予想されます。

    そんなこんなで、当院でも、従来のCa3.0からCa2.75の透析液に2012.1.13より変更しております。
    この透析液に変更してから、定期採血の時のデータを見ながら、薬液や薬剤の変更をしてゆく予定です。

    時には、近くを見て(週末ドライとか)、
    でも、この1月という1年の始まりには、遠くの山も眺めて(大げさに言うと人生のビジョンとか)みましょう。

    人間なんて来し方と行く末の間に佇んでいるちっぽけな存在で誰かさんの言うように『大河の一滴』に過ぎません。
    でも、そのひとつひとつはかけがえのない何にも変えられない『一個の生命』です。

    本年もどうぞよろしくお願いいたします。

    第11回 愛媛腎不全懇話会

    • 2011.11.11 Friday
    • 19:16
    CKDcyugai

     中外のミルセラの話がメインの会?かと思って出かけましたが・・。

    第1部は『腎不全に伴う貧血の成因と治療』鴨島川島クリニック 水口隆先生
    第2部は『貧血を伴うCKDの1例』とディスカッション。

    保存期腎不全に伴う腎性貧血に対して、どの時期からESA(造血剤)を開始するか?

    県中の茎田先生がプレゼンテーションし、西村先生が進行してゆく形態、。
    その折々でパネリストの面々が答えてゆくという結構実際的なもので、自分としては一方的に聴く講演とはまた違っていて、なかなか面白かったです。

    ESA製剤投与開始の基準、また休薬の基準は?

    ・県中 西村先生 Hb10切ったら開始 休薬は12超えたら
    ・日赤 原田先生 わたしは古い医者なのでHb8切ったら開始 休薬は12超えたら減量する、でも切らない、と。
    ・水口隆先生 Hb11切ったら使うかどうかはともかく患者さんに情報は提示するとのこと。 
    透析患者ではHb10.5-11.5を目標にしており、この幅を超えたら調整、減量するときも半量とするのではなく2-3割減としている。

    いずれにしても、ミルセラもネスプもいい薬にはちがいないが、非常に薬価が高い。

    医療も経済の一つであることには違いない。限られた資源の中でいかに有効に廻してゆくかまで考えなかればならない。それまでが今は医師の裁量範囲になってきている。
    経済なくしての世の中はもはや存在しないのだ。

    またまた余談だが、今月の『文藝春秋』に透析をしないで一生ゆけるという医師からの告発連載記事が、『尾崎豊の遺書』(自殺だったんだ!)と共に載っている。
    子供の遠足弁当の買い物で出向いたスーパーで立ち読みしたんだけど、徹底的な腎不全コントロールの話だった。
    尿蛋白管理、血圧管理、腎保護(ARBとか?)など。
    かなり厳格な管理をして透析導入を遅らせるというまっとうな話だが、
    それでも新聞の広告とか見てると『煽り』としか感じられない。

    連続キャンペーン第一弾 「抗がん剤は効かない」以上のタブーに挑む
    患者よ あなたに透析は必要か   医師 椎貝達夫
    毎年三万七千人が人工透析患者に。
    しかし、そのうち一万三千人は透析を始めずに生きていける。
    いったん始めればやめられない治療を安易に選ぶな!
    透析なしで一千人の患者を救った医師の告発!

    これってどうなんだろうね。

    ああ、また話しそれそう。

    以前、地区の講演会の際に西村先生に伺ったときには、ネスプ40/2wくらいまでで、それ以上は増量しないというふうに言われていた。
    (ミルセラ注シリンジ100μg 薬価:22445.00 メーカー:中外製薬
    それと同等と言われているエポジン皮下注シリンジ12000 薬価:15932.00 |メーカー:中外製薬
    ついでにネスプ静注用40μg/1mLプラシリンジ 薬価:9966.00 |メーカー:協和発酵キリン)

    それと、ミルセラには剤形が25.50.75.100.150.200とあり、すべてを入れるわけにもいかんなあ・・と自分も思っており、他の皆さんもそれは思われているようでした。
    原田先生は保存期は50くらいでいいのではとおしゃっておられました。

    ちなみに透析患者さんで当院で使っているのは100と150です。

    ちょっと話がずれるが、結構ミルセラを使っている先生にも立ち話ではあるが話を聞いた。
    大体100-150/Mでいけているが、やはり投薬量を上げていって、150の人が増えている。
    でもそれ以上は使うつもりはあんまりないとのことだった。

    添付文書の記載は、
    保存期腎不全での使用量は、
    新規に使う患者さんでは、25/2wから投与開始、
    エポ製剤使用者では4500未満では100/M,4500以上では150/Mから開始とのこと。

    なんかただの覚書になってしまいました。

    これでわかる腎性貧血の診かたと治療

    • 2011.02.27 Sunday
    • 12:56
    ESA

     『これでわかる 腎性貧血の診かたと治療 ガイドライン活用の手引き』栗山哲著を読む。
    iPhoneアラームかけて1時間で読破しようと思ったがかなわなかった。

    JSDTガイドラインの解説本+αだ。

    たしかにガイドラインというのは、先生の書かれるように、『標準的・統計的治療を推奨する性格』のものだ。だからこれが絶対正しいというわけではない。
    鉄の投与法に関しても、フェリチンの危険度に関してもまだまだ議論の余地はある。
    しかし、ひとつの道をエビデンスをもとに示してくれるというのはありがたい事だ。
    一開業医として、日々に追われている自分も時々、紐解き直して、日々の診療に還元せんとイカンのである。

    第7章は症例呈示に、
    保存期腎不全で、ESA(エポジン?)12000単位/2週間ごとで、腎保護・Hb上昇・腎不全の進行を遅らせた(Crは上がったけど・・)症例が載っている。
    うちの保存期グループは高齢のせいか、ほんとHb上がってこない・・エスポから半減期の長いネスプに軒並み変更したんだけどなあ・・

    先日日赤の勉強会で、北条病院のM田先生の詳細な統計報告を聴かせてもらって勉強させていただいたが、ほぼ彼の独演会だった。
    まあ熱心というか、細かいというか、粘着気質というか、まあ微に入り細に入りの発表だったわけだが、
    これは彼の性格じゃないかとひねくれた見方をして一応自分を納得させてみるが、・・・なんせ素晴らしい内容だったのだ。
    その場にひれ伏そうかと思ったもん。
    Hbの目標到達度は11弱くらいで(学会の推奨もそれくらい、でもなかなかパーフェクトは難しい)、それに関しては当院と遜色なかった(平均Hb10.89g/dl)のだけど、ネスプの使用量が確か20弱と素晴らしく良かった。うちは27です(エポジンが2000弱だった)。
    CKB-MBDのCa/Pバッチリ枠の到達度も80数%と素晴らしい値だったし(うちはどうあがいても全国平均の50%くらいだ)、高Ca血症なんて皆無だった。

    この本には半減期が130-140時間と長く、月イチ投与でOKと言われているCERA(中外製薬)も2011春発売予定とか書かれており、
    ネスプ(DA)発売以来のビッグウェーブがまた来るのかなぁ。
    保存期腎不全のネスプ適応は医者としてほんとにありがたかったけど(投与回数が減らせられれて、投与量の総量自体の設定が増えた!)。

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