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コメント:おまけでついてる21minのDVDに若き甲斐よしひろが凝縮されている。これを今みせるのって罪だわ。CDといっしょの楽曲を往年の甲斐バンドがプレイしているんだ!(一部現在の甲斐バンドもあり)
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甲斐バンドスペシャルライブ「Rolling Birthday 60」をみる。
OKOK、音声入力でまたやってみよう。
(このentry、もとはiPad口述筆記なんですよ!)
甲斐よしひろさんの60歳(還暦)ライブである「rollingbirthday 60」 てぇのwowowで見ました。
まったくもって長い長いライブでした。
まるで甲斐バンド金太郎飴かなんかのようなお決まりのナンバーによるshowでした(いっつもなんですけどね)。
甲斐さん、一体いつまでこんなこと続けるのって、はじめは思ってました。
でも最後のあたりでですね、「嵐の季節」(コーラスに蘭丸と押尾コータローとkainatsu(甲斐よしひろのお嬢さん)がいた!)とか、「100万ドルナイト」をやったんですよ。
こういった曲たちっていわゆるヒットソングじゃありませんからね。
そしてこんな曲を果たしてかける人が、日本に一体どれぐらいいるっていうんでしょ?って思って聴いてるとうるうるしてきました。
100万の昼、100万の夜。
今も超えられなかったいくつもの夜を待ちわびながら、今も甲斐よしひろの声に涙を流している、そんな自分を見つけてしまいました。
岡山在住の極道者?道楽者?熱心なファン?の弟はこのショーに出かけたそうです。
ちょっとずいぶんうらやましい話じゃないですか。
いいなー。岡山。新幹線っていうのはあれは神の発明に違いありません!
音楽はビジネスなのか?
そのとおりです。
では音楽をビジネスのために演奏されるべきなのか・・その通りでもありそのとおりでもないような。
誰もが一生勝ち続けることなんて出来ないそんなゲームの最中です。
過去の資産は食いつぶされ、それでもヒトはミュージシャンに過去の栄光をそのまま望みながらも、あれやこれや勝手な注文をつける。
飲食店然り小売業然り。CD売上激減。ミュージシャンは過去の資産で勝負したってそれはそれで立派なビジネスなんです。自分だって。
(森高さん、ミニスカはいて唄ったんですってね、なんか複雑だよなあ・・)
ふと、小室哲哉とやった「against the wind」(1999)という楽曲を思い出しました。
この楽曲は確かCDになっていないんだと思います。
この2000年よりちょっと前の時代、甲斐さんは方向転換を図ろうと思ったのかもしれません。
ちょっとアーバンな香りのする哀愁ただよう男?
でもその結果として、多分甲斐さんは枯れた男になることより、いつまでも吠え続ける少年でいることを選ぼうとしたのだと思います。
それはそれで清いことなのかもしれません。
その究極の選択が、往年の黄金期の「甲斐バンド」だったとしても。
なんだか「かもしれません」とか「多分」とかそういう文体でしか語れないことがちょっと寂しいですけどね。
中盤、レイニーウッドのキーボードの上綱さんがゲストで現れて、なぜか「青い瞳のステラ、1962年 夏・・・」(柳ジョージの往年の名曲)やりました。
はっきり言って死んだ柳ジョージというか、死の前の柳ジョージはまったく精彩を欠いていました。
半年くらいまえにレイニーウッドの武道館の完全ライブのCDを手に入れて聞いていますけど、あの時のジョーちゃんは今聴いてもやっぱり輝いていました。
そう、こんな時代ですから、死んでも楽曲は残り、小説だって、そのように残っていくものだってあります。
もちろん消えてゆくもののほうが圧倒的に多いですけどね。
そんなふうに考えると、多感な同時代を一緒に生きてきたたものとして、やはり「甲斐バンド」は唯一無二のバンドなんですかね。
70年代に青年期を迎えて、有り余る物質と情報を享受することにやっと慣れてきた我々の世代(今の世代はそれらが始めっから目の前に砂漠のように続いている!)が、
「攻殻機動隊」のあの彼女のように、
築き上げられた物質世界とそこからこぼれ落ち続ける過去の精神世界をtrackingするゴーストのような存在、それが「甲斐よしひろ」ってヒトなんじゃないかという気さえします。
彼はもうとっくにここにはおらず、我々の「記憶」の中を縦横無尽に駆けまわってるんじゃないかって。
うちの弟のように、東京ドームシティまで出かけて、「10万ドルナイト」のあのミラーボールの洗礼に直撃されたら、
村上春樹さんの「田崎つくるさん」じゃないけど、
見たくはない・ケリを付けないといかんかった過去と対峙してみる気になれるのかもしれません。
♪大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない・・
against the wind 優しさに逆らってどこかでまた吼えてる・・
こんな歌詞が荒んだ心に塩を塗りこむように滲みてきますね。
でも、そのあとビールでも流し込んだら、すぐにただのおっさん52号に戻るんでしょうけどね^^;
[against the wind /甲斐よしひろ]
このごろ時々鏡に見入ったり
どうしてこんなに疲れて
ひとつひとつ何か終わるたび
タバコのかすかな灯消えたような
大好きだって言えなくなった
まして愛なんてとても伝えられない
せめて時代を懐かしむように
粋な頃のワイン話をして
against the wind, against the wind
against the wind
人の波に逆らってどこかでまた吼えてる
夕日を最近見たかい
太陽が休みを告げるような夕暮れを
恋や酒や歌やベッドで
生まれるものじゃない事忘れていた
終われられない、まだ捨てきれない
今日もビルのスキマ風に向かって
ここで誰かとまた出会えるか
そしてやっと何か伝えられるか
against the wind, against the wind
against the wind
優しさに逆らってどこかでまた吼えてる
終われられない、まだ捨てきれない
今日もビルのスキマ風に向かって
口惜しいこと、甘えたいこと
ずっとずっと言えなくなっていた
against the wind, against the wind
against the wind
人の波に逆らってどこかでまた吼えてる
大好きだって言えなくなった
まして愛なんてとても伝えられない
口惜しいこと、甘えたいこと
ずっとずっと言えなくなっていて
against the wind, against the wind
against the wind
優しさに逆らってどこかでまた吼えてる