二日酔いからやっと立ち直った夕方に、「上田正樹&有山じゅんじ ぼちぼちいこか」liveに出かけた。
電車で市駅までゆき、日曜日のちょっとたそがれた裏道をライブハウスまでてこてこと。
会場は2Fで、オープン前なのに、もう狭い階段にヒトが並んでいる。肌寒い夕暮れ。
狭いライブハウスにぎゅうぎゅう詰めで60人。
出囃子が流れ、客の間の狭い隙間を縫って、キー坊と有山さんがステージに。
余裕と自信と熱狂のライブ!が「ぼちぼち」スタート。
隣の人は、その昔、松山で「サウス・トゥ・サウス」のライブに行ったと言われていた。すげぇ。何十年前のことや!
このライブハウスはマスターがアットホームなライブをしたくって2年前に作ったんですって、と、また別の隣の方が教えてくれる。
うーん、この狭い街でもいろいろ知らんことばっかりやなー。
有山じゅんじさんのギターは誰かさんが言うように国宝級で、
フィンガー・ピッキングであんな自由自在な音が出て、そんでもって、歌も、上手い下手の域を超えて、いまさらの表現だが心に沁みてくるのだった。
岩にしみいる蝉の声・・というのはこういうのを言うのかって感じだ(ちょっと違う?)。
特に、「50歳」って歌は、脳天に突き刺さった。
50歳になったらみんなバレる
だからそこからはじめる〜
50歳なんてくそっ喰らえ!って歌だ。
すんばらしい!実に素晴らしい!涙がちょちょぎれはじめる!
そのとおりだった。
今、51歳で、もうすぐ52歳になる自分は、
その説を借りると、まだ始まってたった2年弱のルーキーで、全部バレバレのフリチン野郎にすぎないのだった。
全部バレバレだし確かに。
カッコつけてる場合じゃねえだろよ。おっさん。
わはは、どーだ、そんなわけで、まいったか!いくぞ!
・・って、なんか、ショボくれ50歳がにわかに元気になったのでした。
おれに必要なのは結局は持続だな、と、自分の中で思いを噛み締めて、反芻する。
吉田拓郎がその昔「もういらない」という本を書いてたけど、まさにそんな感じ、
あるべきものは全部自分の目の前にあったんだという確信、
浮気なんてもうしなくってもいいんだよ、
自分の目の前にあったものをそのまま愛おしんで深化させていけばいいんだという、
ベクトルは間違った方向を向いてはいなかったんだ、という確信、
そんな「強い」ものを、
その夜はキー坊と有山さんからプレゼントしていただいたのでした。
それにしてもキー坊、客煽るのうまいわ!
あと、
オーティス・レディングの歌聞いてる時、不覚にもキヨシローのこと思い出して涙が出そうになっちゃいました。
「Doc of the bay」とかね。
日がな腰掛けて君が帰ってくるのを待ってるんだ 君はもういないことなんて知ってるよ
だから 待ちぼうけなのは当たりまえさ わかってる・・
でもね 気が済むまで待ちたい時だってあるんだよ
この忙しい人生 たまにはそんな時もあってもいいだろ・・なぁ・・
って。
じゃあ、キー坊の方を!
ええか、地獄なんてあらへん、あるのは地面だけや、
わかるか、わかるやろ、
そんでな、上にはな、空や、空が広がってんねん・・そんな歌や・・
おれは20世紀最大の音楽家はこの人や思うてます。ジョン・レノン。
そして18世紀最大の音楽家はベートーベンや(「第9」の歌もやったしねぇ)
そして「Imagine」をキーボードで弾き語り。
いこか
ほないこか
ほんまいくんか
昔は死ぬまで行こかいうてたけど、オマエら オレラと一緒に死なへんやろ
そんでもええか
ええのんか
サイコーや サイコー いてまえ
(ちょっと脚色しましたけど・・)
どや、ふたりとも最高やろ!