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    微熱中年

    • 2012.02.27 Monday
    • 21:13
      口八丁とはよく言ったものだ。
    たしかにこの稼業、手も体も動かしてるし、脳みそも使ってる。
    でもなんのかんのいって直接のインターフェイスは口なんだ。
    患者さんと向い合って、口で喋り、説明を絵に書いて、それをまた口で補足しながら説明する。
    処方もする、処置もする。
    その繰り返し。
    だから、診察がなんかショボイトークでは、お互いにメートルも上がらないというものだ。
    朝起きたらまた喉の奥に何かが張り付いた感じで声が出なかった。
    おもいっきり粘調な痰を排出するが、また喉はイガイガの繰り返しだ。
    しゃべると咳が出る。しゃべりたくない。しゃべらないと仕事にもなんにもならない。
    口八丁というのは多分本来のものはあんまりいい言い回しではないと思うのだが、口八丁、とっても大事だと思う。
    無敵にしゃべれる口がこんなに欲しいと思うこともない。
    ああ、それにしても今回の風邪はちょっと長すぎるな。

    37.2度。全身倦怠感。ものの味はしない。

    泉谷しげるの唄にそんな微熱を歌ったのがあったよな。ああ、ありゃもっと高熱の『39度8分』でした。
    このあたりの泉谷のバンドは、ドラム鈴木さえ子・ギター仲井戸麗市・ベース言わずと知れた吉田健てなちょっと変わったラインナップだったっけ。
    最後は、(お前の)悪意にとどめをさせ!みたいな感じだったかなあ。

    味気ない舌と回らない脳みそでやっと思いついたのがポテトサラダで、そいつだけを何とか作る。
    あとはいなりずしとか味の濃いもんなら喉通るかなと思って買うが、今ひとつ。
    水菜のサラダも、普段だったら普通に感じるドレッシングが異常にしょっぱい。
    なんとかコロッケももったりした味だ。
    その中でポテトサラダだけが優しく、喉を通って胃袋まで落ちてゆくのでした。


    家に帰ってLP探し出しました。

    39"8' すべてが曲がる
    39"8' 大げさに騒ぐ
    39"8' 君になおして欲しいぜ
    39"8' ただの風邪めが

    37.2度の微熱中年なんて誰も欲しがらない。とどめを刺せ!

    伊予医師会の救急医療シンポジウム

    • 2012.02.25 Saturday
    • 16:49
     金曜日は伊予医師会の第10回地域の人々と共に学ぶ救急医療シンポジウム 災害と医療〜東日本大震災に学ぶ〜 』だった。
    風邪はまだ十分ではなかったが、なんとか、悪寒もないので出かけることができた。
    心肺蘇生実演も入れると4つの演題があり、どれも目一杯で、優に2時間を振りきってしまった。
    非常に疲れた、というのが実感。
    それでも、あの東日本大震災の現場に駆けつけたドクターや救命救急士の方の生の声を聞けたので非常に有益な夜だった。

    ・新しい心肺蘇生法(G2010) 伊予消防等事務組合 救命救急士

    ・災害と医療〜東日本大震災に学ぶ〜
    愛媛県立中央病院災害医療センター長 濱見 原 先生 

    ・被災地医療で学んだもの「支援する医療者自身の心の健康」
    四国がんセンター 統括診療部外来精神腫瘍科 医長 大中 俊宏 先生

    ・緊急消防援助隊の活動を終えて 伊予消防等事務組合消防本部 警防主幹 宮岡 政司 氏
    saigai

    精神科の大中先生はやはり話が非常にうまい。
    先生は、良寛の話を持ちだした。
    高名な僧侶である良寛さんが、71歳の時、新潟で大地震があった。
    彼自身は直接被災しなかったが、被災地をめぐりいろんな書簡をしたためた。
    その中にこんなのがある、

    災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。
    死ぬる時節には死ぬがよく候。
    これはこれ災難をのがるる妙法にて候。 

    日常というのは実に平々凡々に続いてゆくのかとおもいきや、随所に落とし穴が待ち受けている。
    この関係性が永遠に続くなどということなどひとつもないのだ。
    自分の努力や社会の努力でどうにかなるものも中にはある。
    だけどどうにもならないことだって往々にしてある。
    その最たるものが天災だろう。
    その中で絶望にさいなまれる人たち、自分には何も出来なかった、誰も助けられなかったと自分を責める人たち。
    それは被災地に入った医療従事者やボランティアとて同じだったのかもしれぬ。

    前年度と比較すると、地震の余波が過ぎ去った5月の自殺者の数は、日本全国で前年度の1.2倍、福島県では1.5倍だったという。
    みんな地震で心が壊れてしまったのだ。

    死ぬる時節には死ぬがよく候。

    良寛さんが説いたことの言葉は一体何を意味するのだろう?

    自分は一塊の人間であり、
    確かに一塊の人間にも誰か他者を助けることができる時だってあるが、天の意向の前では何もできない無力な存在でなんの助けにならない夜もある、そんな限りある存在なのだ。
    そう知ることもまた大事なのではないか・・ってなことか。

    コトバに置き換えるとなんかちょっとだけうさんくさいが、自分の前の壁をどうやっても乗り越えられないときは、確かにそれを認めてしまうこともひとつの方法かもしれない。
    もちろんそれで壁を乗り越えられるわけではないのだけれど・・。

    それがPTSD(心的外傷後ストレス障害Posttraumatic stress disorder:PTSD)を乗り切る極意ではないかと。

    【蛇足】

    ”time to die,”
    『ブレードランナー』のレプリカントはそう言ってデッカーを助けて死んだ。
    そのセリフをもう一度引用しよう。

    『俺は、おまえら人間には想像もできないものを色々見てきた。
    オリオン座のそばで炎に包まれた攻撃型宇宙船、
    タンホイザー・ゲートの近くで闇の中に輝く C ビーム。
    それら全ての瞬間も・・・時が来れば失われる。
    ・・・・・雨の中の涙のように。
    ・・・・・死ぬ時間だ(Time to Die.)。』

    ・・というわけで、今朝も起きたらほぼ声が出なかった。
    だましだまし外来をやって、なんとか残務を片付けた今。

    My dear,

    • 2012.02.23 Thursday
    • 16:24
     Happy Birthday!
    きみがこの世に生を受けたことに感謝。

    村田裕子先生の『ごちそうの教科書』のtopに掲載されてるメニューがローストチキンだ。
    内蔵処理した鶏をいつものエミフルの肉屋さんで手に入れて、詰め物して表面に塩塗っての下ごしらえして、一晩冷蔵庫で寝かせて、家庭用オーブンで80分あまり焼いて、片方の脚がもげたけど無事完成。
    自分が作ったもう一品はパプリカのつぶつぶムース。
    あとはパエリアとケーキ。

    これ書いてて、なぜか、あの有名な俵万智さんの、
    「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」ってゆうのを思い出した。
    これまた、なぜか、若干の涙と一緒に。
    たぶん今、風邪ひいてて、涙腺とか、鼻水とか、体の分泌機構が弱ってるんだよ。

    roast2

    さんぽもの

    • 2012.02.20 Monday
    • 18:50
      前略。

    谷口ジローのマンガに伊能忠敬のことを描いた『ふらり』というのがあるけど、
    あれがもしかしたら『孤独のグルメ』とか『散歩もの』の最新進化型なのかもしれない。

    拙blog『痛みの中でも呑んでいる』にちょっと『ふらり』のことは書いた。→http://ulalaulala.jugem.jp/?eid=1153

    足を痛めて、ここしばらくインナーワールドに生きていたのだが、
    (寒いこともあったし)
    思い立って、散歩に出かけることにした。
    ベアフットシューズでしゃかりきになって、左の足の甲痛めて(原文・炒めて・になってた)ずっとびっこ引いてたからね。

    今度は普通のスニーカーで普通にwalkingだ。

    焦るな、歩けと、2時間あまり。

    途中で神社で写真撮ったり、
    本屋寄ったり主な((原文・者な)目的はおしっこでしたが)、
    クルマに轢かれそう(原文・惹かれそうって書いてたけどクルマに吸い寄せられてどうするんや)になったり(ヘッドフォンで音楽聞きながらの散歩は要注意!)、
    100円ショップで念願の千切りピーラー手に入れたり、
    自分の肉体となんか付き合うって行為はいいね、
    疲れるけど。
    (帰りがけすでに背筋が痛くなり始めてた・・)


    透析液Ca2.75mEqに変更して1ヶ月 その(2)

    • 2012.02.20 Monday
    • 12:37
      単なる個人的覚書です。

    Effect of Dialysate Calcium Concentrations on Parathyroid Hormone and Calcium Balance During a Single Dialysis Session Using Bicarbonate Hemodialysis:A Crossover Clinical Traial
    Am J Kidney Dis.2012;59(1):92-101

    イタリアの文献。

    一回の透析で、透析液Ca濃度2.5,2.75,3.0mEq/Lにおいて、1hrごとの患者血中Ca濃度・iPTHの推移をみた。
    3.0では、血清Ca濃度は2.5,2.75と比較して有意に上昇した。
    iPTHは2.5透析液群で上昇し、2.75,3.0では低下した。

    結論としては、Ca2.75mEq/L透析液が最も推奨される。
    その理由はCaバランスをわずかに正にもってゆくということと、透析中のiPTHレベルを安定させるからというものだ。

    日本のデータでは、Caバランスは2.79でバランスがゼロになるとされているものもある。
    (Yokoyama K et al:Nephron 92:86-90,2002)
    しかし、実際は、除水や酸塩基平衡などもからんでくるので、測定は困難であるとのこと。
    よく言われているのが、低Ca(2.5)透析液だと、iPTH分泌を促進するというものだが、上の文献にもあるように、2.75ではほとんど影響はないようだ。

    二次性副甲状腺機能亢進症に対して、活性型ビタミンD製剤という武器を我々は手に入れた。
    しかしそれらを使用すると血清Caは上昇する。
    そのため十分な投薬できない症例も経験することになる。
    だから、昔からあるCa含有リン吸着剤から、Ca非含有リン吸着剤(レナジェル)とかに変更して使用したりする。
    また、最近リリースされたシナカルセト(商品名レグパラ)のように、CaもPもiPTHも下げる方向に働くという画期的な薬もある。
    しかし、腹部膨満感で内服が難しい患者さんもいる。
    2.5だと、PTH分泌を刺激することになり、iPTHに対する治療を強化する必要が出てくる。
    で、透析液Ca濃度を3.0から中間の2.75に下げるという選択が生まれるわけだ。

    和歌山医大の重松先生のデータでは、
    透析液Ca2.75ではイオン化Ca変動はない。
    3.0→2.75経の変更では、iPTHの若干の上昇傾向が見られたが、ビタミンD製剤の投与量変更はなかったとのこと。

    また、ビタミンD投与が、生命予後改善や心血管イベントの発生抑制につながるというデータも出てきている。
    (ただしこれに関しては確定事項ではない)
    その点からも、透析液Ca濃度を下げて、ビタミンDをできうる限り投与するという戦略もアリなのかもしれない。

    まあ、これらの資料は、2.75の透析液を発売した扶桑薬品経由で手に入れた資料ばかりなので、
    いささか手前味噌な部分があることも否めないが、Ca2.75mEq/Lというのは悪い選択肢ではなさそうだということだ。


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