京都。町家。寺社仏閣。緑の樹々。サラサラとその下を流れる水の音。
ワイナリーの社長。男手ひとつで、妻亡き後ずっと娘と一緒にいた男。
演ずるは役所広司である点からもう出来すぎ。
その娘がニュージーランドにかの国のヒトと結婚して嫁いでいく。ホントの一人。結婚のあとのempty rest.
旧友を訪ねて訪れた京都の町で、確執ありながらも続く同級生の交流。
そして娘の友だち(れも親友の一人娘という!)との恋・・。
CBC開局60周年記念スペシャルドラマ「初秋」('11)です。
なんか50男にはぐっとくる物語でしたが、こんな余裕コマしてる60まえなんて非現実だよ、と、
酔ってもグチュグチュになっても、役所広司やっぱりかっこいいよな、なんて突っ込みながらも、
で、朝からの2時間弱の放映時間筒いっぱいを、観光旅行気分でトリップさせてもらいました。
京都はなんだかこの道行ならぬ恋も、昭和レトロな物語も全部ありにしちゃう町なんだよなあ・・。
ああこんな風に、のんびり寺に出かけて、石庭見ながらずーっと瞑想にふける、
夜は夜で料亭で旧友と飲んで、昔に思いを馳せると、思わずも別の友人も現れる。
そしてその果てには、道行ならぬ恋が待っている。
ああ、なんてすてきな時間の過ごし方。
原田監督が小津映画に対するオマージュとか、数々の映画愛を脚本にちりばめて、遊んでるのが個人的にはいたずら小僧っぽくって面白かった。
だから、京都なんだろうかな。
なんか古びた男が、道行ならぬ恋をしても絵になるような錯覚を抱かせる舞台が京都なんだろうな。
そういえば、『社長・島耕作』も今、京都あたりで話が進行して、道行ならぬ恋もあった。
なんちゅう偶然。
忙しければ忙しいほどスキマ時間をうまく使えるようになるよ、と、FB友達が書いてくれたが、
まさにそのとおりで、
こうやって、隙を縫って、プチ『ぽーっ』時間を製造している。
てなわけで、今日は『ぎっくり腰』再発せんかどうかビビりながら、いつもの重信リハビリポタリングに出かけて、
重信のコスモス畑の前のアスファルトに腰掛けて、
目の前のハイウェイを通り過ぎる車の音にぼーっとして、眼前の赤と白に目をやって、秋の風にしばし吹かれてました。
なんか久々の休日って感じでしたよ。
こんな瞬間を重ねて行ったら、いいのかもしれません。でもすぐに煩悩とか押し寄せてきちゃいましたけど。
それにしても『サラリーマンNEO』でしか存じ上げてなかった中越典子さんが、実にいいです。
こりゃ男ならみんな好きになっちゃうよね。
でもtatooやら、怪しげな町家バーとか、ブロンドのウイッグとか、それでいて寺社仏閣で小津映画の講師とか、いかにも中年男に都合いいように描かれすぎでしたが。
そのへんは何十歳も歳の差のある男と恋に落ちるという設定に無理を生じさせないようにということで、ご容赦(^^;)。
だから、このエントリーは50男が道行ならぬ恋をしたいという妄想エントリーではないのでした(笑)。
振って湧いたスキマ時間を結構有意義に使ってるぜBabyというエントリーなのでした。