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    反面教師

    • 2011.07.29 Friday
    • 17:00
     夢に久々にあの人が出てきた。

    彼はいつも選択を迫る、
    「先生、どうするの、AなのBなの、どっちどっちどっちどっち!! 早く決めなきゃみんな困るでしょ!」
    そう言いながら鼻息荒く肩を揺する。手術場での出来事だ。
    その言葉はあながち嘘ではない。たしかにここで自分が決めんと一緒にいる人は一瞬でも早く自分の判断を待っている。
    ここでの選択者は他ならぬ自分で、その意味では自分がBOSSだ。
    でも彼の性急さに、言われた自分の方が立ちすくみ、手が止まってしまい、思考はフリーズする。

    選択は正しいのかもしれない、後でどっさり後悔するのかもしれない。
    結果がすべてを雄弁に物語るのか。
    過程が大事だよ、なんてぇのはなかなか現実世界には転がっていない話でもある。

    どっちどっちどっちどっち!

    自分も性急なほうの人間だとは思っている、

    そして、
    あれもこれもほしい、あれもこれも悩みたい、でもあれもこれも認めてほしい、あれもこれも自分の手の中においておきたい、と思っている。
    だからめいっぱい努力するし、新しいものにもしょっちゅう目を向ける。手を出す。

    競争社会には間違いない。

    自分のペースの中でみんな生きていけばいい場合もあるし、それでは社会の中でやってけない時もある。
    それを「個性」と呼ぶときは、その側面がpositiveに働いてる時だし、
    「あいつは根はいいやつなんだけどね・・」というときはそいつはすでにdropoutしかけている。

    烙印を押されたくない、取り残されたくない。

    でもいいや、って、舞台から降りちゃった人間も知ってるけど、
    それは『社会的な評価』の上での問題であり、
    その本人にとっては結構マイペースで歩める、安寧であり至極幸せな道であったのかもしれない。

    まあ、だれにもわからないんだけど。棺桶に首突っ込むまでは。

    だけど、
    だから、ヒトを、
    すぐに「あいつはこうだ(バカとか淋しい奴とかいい歳して独身だとかのろまとか愚鈍とか亀とかクズとか淫乱とか)」かぎかっこでくくるのはよそうと思う。

    あの人の口癖みたいな言葉をもう一つ、
    「何々をしなくちゃダメだよ、この世界ではそんな甘いことは通用しないよ。いいかい。」

    でも、自分があの人の何を知っているというのだ。

    自分だって好きと嫌いというものさしでしか他人を測れていないことにとっくに気づいているんだ。

    I met a Boy&Girl.

    • 2011.07.28 Thursday
    • 14:15
     僕が若い時、ジョンとヨーコは『愛と希望』を教えてくれた。
    二人は寄り添って唄い抱きあいセクスしていた。

    Come together,right now,over me.*1 


    昨日、日赤の勉強会で二人の若いお医者さんにあった。
    彼らはいかしてた。
    彼と彼女も、僕に、ささやかではあるけれど、愛と希望をくれた。


    そしてそのほかにもたくさんの『いいね』をいろんな人達がくれたけど、
    お酒の海ですべて流されてしまった。

    洪水のあと 洪水のあと
    それでも私たちは生きていかなくちゃいけない*2 

    でも、また会えば、また幸福な気持ちが自分の中でよみがえることはわかってるから平気だ。

    僕が彼らのように若い時、
    でも僕に勇気とか展望を教えてくれたのは、先輩の泌尿器科の先生だった。
    彼らは万能ではなかったけど、十分たる背中を見せてくれた。
    その背中にしがみついていたんだ。


    超えてゆけそこを
    超えてゆけそれを
    今はまだまだ人生を語らず*3 

    今、この旅の途中で、
    僕は、例えば自分のところのスタッフに、いい背中を見せられてるのかな?

     *1 by Lennon.
     *2 by 誰の歌だっけ?カウボーイ・ジャンキーズ?マリア・マッキー?
     *3 by 吉田拓郎

    【蛇足】
    今日は以下の自分のentryにちょっと背中を押してもらいましたよ。thanks.
    以下のパラグラフとかにね。

    彼女は夢を一つ一つ紙切れに書き出した、
    そして素敵なイラストを添えて、自分の机の前の壁にピンでとめた。
    かぐわしい香りが彼女の部屋を満たし、彼女は高揚感に包まれて眠りに落ちた。
    今、彼女の部屋には誰もいない。
    光もろくに差し込まないその部屋に、色褪せた紙がとめられている。
    その紙切れとカビ臭い部屋のにおいをおれは脳みそに焼きつける。でもそれらもいつか色褪せてゆくんだ。
    できることなんて限られている。
    だけど紙っきれを残したあんたがどっかの空の下、元気でやってたらそれをサイワイと人の言う。
    夢はまた書き始めればいいだけのこと。でもあんたの代理はどこにもいないんだから。
    そしてもうあんたは”そいつ”を始めてる。

    洪水の後、すべては流された。
    洪水の後、この部屋の主はいないとしても。

    あんたはあんた。どこにいても。だから好きだ。

    おまけ;『のり庵』のチキン南蛮

    エマノンの新作が出た!

    • 2011.07.23 Saturday
    • 13:43
    評価:
    コメント:あなたはあなたのエマノンに何処かの街角ですれ違っていることにきっと気付かされるだろう。

     『エマノン』の最新シリーズを書店で手にとって購入した。
    9年ぶりだという。

    たしかに、『エマノン』は自分たちが高校の頃、作者である梶尾真治氏が始めたシリーズによって自分たちのこことにインプットされた。
    地球が始まって以来の40億年の記憶を持ち、その記憶を子々孫々に伝えてゆく使命を持った少女『エマノン』、
    でも彼女は今、作者の中だけでなく、自分の心にもいつか住み着いてしまった。

    それはたまたま、自分が感受性の振幅の一番大きな、またSFの蜜月期に『エマノン』と出会ったからなんだろう。
    それが人によっては、ワンピースのチョッパーだったり、コナンだったり、鋼錬のエドだったりするだけのことだ。

    『エマノン』とか、筒井康隆の書く『火田七瀬』は、今でもこの地球の片隅で、自分の戦いを戦い続けている。

    だから、おれも、自分にやれることをやるだけなんだ。

    子供の時に、あの街角でエマノンが髪をゆするのを見た。
    あのバス停で、両切りのハイライトをふかして、暑い夏の日差しを片手で遮ってたあの女の子も、もしかしたらエマノンだったのかも知れない。
    あの祭りの夜に、すれ違いざまにお辞儀してくれたあの上品な和服の女性もエマノンだったのか、それとも記憶を亡くしたエマノンの母。
    そうやって、なんども、僕らはエマノンを目撃して、すれ違って、そして彼女のことなんて忘れて年老いてゆく。
    彼女は僕のこと決して忘れはしないのに。

    客観的に言うと、こういったシチュエーションのSFっていうのは、古臭い設定なのかも知れない。
    しかし身体一つでふらふらと『進化の風』に導かれるままに旅して、
    出で立ちは擦り切れたジーンズと、ざっくり編まれたセーター、でもその脳みそには何十億年の地球の記憶が詰まっており、
    って、
    よく考えたら、生体『端末』としてここに存在するけど、ネットを使って幾多の記憶も引き出すことをやっと覚えた、今の僕達みたいじゃないか。
    ただし、
    ネットの海にやっと乗り出すことを覚えはじめたヨチヨチ歩きのわれわれと、
    有史以来の記憶の絶望と可能性を体感したエマノンとの差はまだまだ歴然としてるけど。

    『大鹿村騒動記』を観る。主題歌はキヨシローが唄ってた。

    • 2011.07.22 Friday
    • 18:12

     『大鹿村騒動記』、題字を書かれたのも原田芳雄さんである。

    さて、前夜、やっぱり芳雄さんと云えばバーボンだろうと、オリオン生ビールと泡盛で始まった酒宴は、ジム・ビームのロックでもってそのピッチと加速度をますますアップさせたのだった。

    それでもって、カラオケに1曲しかない『横浜ホンキートンクブルース』をセレクトして、

    酒を呑むならぁオリジナルジョーンズなんてぇ♪
    革ジャン羽織ってホロホロと 浮かぶ涙はブルースの色ぉ
    例えばブルースなんて聞きたい夜は松山ホンキートンクblues oh yeah♫ とか高級クラブで支離滅裂に唄ったのだった。

    が、

    案の定というか、気が付いたら家の玄関で寝ていて、目が覚めた。背中が痛く、時計は6時を指していた。

    この『大鹿村騒動記』はたったの2週間で撮影されたという。
    なんかきっと芳雄さんのことだからその場で創り上げて、共演の手練たちとドラマを作り込んでいったのだろうけど、
    そしてその結果は必ずしも100点とは出てはいないところも見受けられたし、
    この映画が俳優『原田芳雄』のベスト作とも言えないだろうけれど、
    きっと生きていれば、また次の遊びを現場に求めて、新しい映画にjoinするんだったんだろうけど、

    「仇も恨も是まで是まで」というセリフには泣けました。

    そしてそのセリフは、自分の中で、
    最後のコンサートツアーの半ばでリタイアした感じになってる吉田拓郎氏の『唇をかみしめて』を思い出させたりもしました。

    > 裁くも裁かんも 空に任したんヨォ
    > 選ぶも選ばれんもぉ 風に任したんヨォ
    > 行くんもとどまるんも それぞれの道なんヨォ

    > 人が生きとるね 人がそこで生きとるねぇ
    > 人がおるんよね 人がそこにおるんよねぇ

    大鹿村に春が来る、大鹿村に夏が来る、大鹿村に秋が来て300年の伝統の歌舞伎が今年も開かれる、大鹿村に冬が来て、人々は来年の歌舞伎に向けて仕込みを始める。

    300年はそうしてあっという間に過ぎて、しかし、血は脈々と受け継がれていくのだろう。って。

    夏目漱石の『夢十夜』にもあったよな。

    すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。
    見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。と思うと、すらりと揺らぐ茎の頂きに、心持首を傾ぶけていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁(はなびら)を開いた。
    真白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)えるほど匂った。そこへ遥かの上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。
    自分は首を前へ出して冷たい露の滴(した)たる、白い花弁(はなびら)に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬(またた)いていた。
    「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 (第一夜)

    だから原田芳雄選手、ゆっくり休んでくださいね。71歳。グッドラック。そしてサンクス。

    原田芳雄(はらだ・よしお)さんが7月19日午前9時35分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。

    • 2011.07.19 Tuesday
    • 21:47
     突然のことでうろたえている。
    何も言葉がない。何も浮かばない。洒落だろ、芳雄さん。
    「いやあ、うまく遊べたのかなあ、オレの人生」とか言って笑ってくださいよ。
    たまにゃ遊びなよあんたよけりゃ案内するぜ(B級パラダイス)とか唄ってさぁ。
    数日前に書いた文章をいまさらにホントになっちまったけど喪に代えてでもなんでもないけどこの場に載せておく。あんまりだよ、あんまりだ。

    ■大鹿村騒動記が封切られます。

    oshikamura


    さりげなく朝刊開いたら、阪本順治監督と原田芳雄氏がタッグをくんだ『大鹿村騒動記』が明日封切りだそうだ。
    この邦画なんて地方にはもっと遅く来るのかなと思ってた矢先の公開。
    そしてなんと1000円均一とのこと。えっどうして?
    腸閉塞に肺炎で苦しんでいるともっぱらの噂の原田芳雄選手がついに亡くなられた記念なのか・・・
    とかちょっと縁起でもないこと思ってしまいました。

    この企画は原田芳雄氏がTVドラマの制作で大鹿村の歌舞伎に魅せられてから立ち上がったものらしい。
    舞台挨拶で車椅子の原田芳雄さんは、声も出ず、
    来場者へのメッセージを共演の石橋蓮司さんが、
    「きょうはどうもありがとうございます。ゆっくりとご覧になってください。原田芳雄」と代読したという。
    なんてこった。

    人生で師と呼べる人はそうそういない。
    それも銀幕とかブラウン管の人ともなればよけいに遠くなる。
    でも原田芳雄さんはその歳に応じていろんなコトを勝手にこの自分に教えてくれた。
    71歳、そりゃ若くはないかもしれない。
    でも芳雄さん、まだ早すぎるよ。あっち行くには。もう一華も二華も咲かそうよ。

    頑張れ原田芳雄!

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