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    青年版・妖怪人間ベム

    • 2008.04.29 Tuesday
    • 13:31
    bemberabero
    JUGEMテーマ:読書

    死刑か無期懲役か、人を裁くことはどういうことなのか議論が続いている。
    議論の対象になるような事件が増え続けている。
    ワインのボトルで夫を殺し遺体を切断した女。駅からホームに人を突き落とした未成年。妻を殺し遺体をレイプし、傍らの子供を殺傷した青年。往来で包丁で何人も殺した男。親戚を金銭目的で殺害した男。話題には事欠かない。依頼殺人、ネット心中。人の命の値段はやっぱり下がり続けているのだろうか?

    しつこく『妖怪人間』の話である。
    YJで青年版の不定期連載があり、それが一冊の単行本にまとめられている。
    作者は高橋秀武氏。書店でそれを手にしたのだ。

    何が彼らを妖怪人間にさせたのか考えてみる。
    しかし額面どおり妖怪細胞の分裂が生み出したものが妖怪人間だとすると、そこに彼ら自身の意思はない。
    でもいろんな推論が成り立つ。
    彼らの細胞分裂を人為的に促進させたものは、その動機は。

    このコミック版では、どうも国防軍の生体兵器として妖怪人間たちは作られ、
    その途中経過で彼らは不完全体(?)で研究所を逃げ出したらしい。
    まるで石森章太郎の『仮面ライダー』みたいだ。
    その設定下ではなにゆえ人間になりたいという意味はオリジナルの話よりも希薄になってくる。
    彼らは人間の何を渇望するのか?平和、ぬくもり、愛、限られた人生とその終末に待ち受ける死?

    あくまで『デビルマン』との比較だが、
    不動明は、悪魔の肉体が彼の体に入ってくるときに、人間の強靭な意志で悪魔を制御し、『悪魔人間(デビルマン)』になった。
    そして人間を守るために悪魔(デーモン)と戦ってきた。
    でも、悪魔の総攻撃が始まり、人間の愚かさが露呈し、人間が人間を裏切り、告発し、殺し合いを始めたとき、
    そして不動明の恋人である牧村美樹が、近隣住民に殺され串刺しにされたとき、
    不動明は人間たちを紅蓮の炎に包み一掃し、言う。
    『俺の守ろうとした人間というものはいったいなんだったんだ、お前らの方がデーモンよりもよっぽどデーモンだ!』と。
    だからデビルマンたちは決して人間に戻ろうとは思わないだろう。
    哀しみを覚えながらも自分たちにほこりを持って戦い続けるだろう。
    俺たちはデビルマン以上でも以下でもない、と。そう、自分の意思でデビルマンでいつづけるのだ、と。

    妖怪人間たちは一方、はかなく弱い。

    (アニメ版で)ベラいわく、
    永劫のときを生き続けるのは楽しくもなんともありゃしないよ、
    愛する人が年をとって死んでいっても私は年を取らない妖怪女なんだよ。

    ではおまえも平気で笑って人を傷つけてその行為に自分も傷つくようなどうしようもない人間になりたいのか?
    そう問えば、それでも人間になりたい、ベラはそう言うだろう。
    その弱さと愚かさこそが彼らの手に入れられないものだとしたらそれもまた哀しすぎる。

    このコミック版ではベムは青年で、
    ベラはティーンエージャーで、どうもベムに恋しているようでもある。
    ベロにいたってはあまり人格が与えられていない赤ちゃんみたいな感じである。

    この物語が臨界点を超えて爆発するとしたら、それは彼らの誕生が単なる軍事兵器であるという範疇を超えて、
    その奥の秘密が(あるとすればだが)語られるときであろう。

    まだ始まったばかりなのだ、この青年ベムたちの彷徨は。


    今から思うと、平井和正描くところの狼人間(ウルフガイ)犬神明は、はじめから失われていたのかもしれないな。
    その彼が最後にたどり着いたのはどこなのか、残念ながら、途中で読者をやめた自分にはわからない。
    そしてベムはといえば失われてはいないがゆえに永遠に彷徨を続ける宿命にあるのだけれど、
    この物語がオリジナルとフォーマットを少しずらしたことでどう展開してゆくのか、ちょっと楽しみでもある。

    妖怪人間ベム 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)
    高橋 秀武

    自家製レバー・ペースト

    • 2008.04.28 Monday
    • 18:10
    レバーペーストとイチゴアイス

    書いておきたいことはたくさんあるのだが、
    体と心がついてゆかない。
    その前に、それ自体がたいそうなネタかというとそんなわけでもない。
    でも自分にとってenoughならそれでいいんだろう。

    さて、クイジナートのフードプロセッサーの話である。

    フードプロセッサー君もずいぶん活躍してくれている。
    4/25念願のレバー・ペーストを作った。
    なんかホラ、クラッカーの上にチーズとか、スタッフドオリーブとか、ゆで卵の輪切りとかがのったヤツ、
    あれってステキな感じがするでしょ?
    そしてテーブルの上にはワインとかシャンパン。
    (先日行ったfivemoonのマダムはモエ・ド・シャンパンのみに通常メニューを決めて、確かにグラス売りしてましたが。)
    その延長線上の欧州の香りなのである、レバーペーストは。
    チーズクラッカーより格がひとつ上がる感じ(レバーそんなに日常的に好きなわけでもないのにね)、
    それをハンドメイドして、お店のように陶製の小ぶりの器に詰めてみる。
    うーん。

    血抜きした鶏レバーとたまねぎを炒めて、ブランデーを入れてぐつぐつ煮る。
    水分がほとんどなくなれば、それらをフードプロセッサーでペースト状にして、
    生クリーム・バター、パセリみじん切りを投入して味の調整をする。
    これは有元葉子先生の本のレシピアレンジなのだが、
    ブランデーなしのものとか、ゆで卵入れたり、赤ワイン入れるバージョンなどもあった。
    さて、出来上がったまだ生暖かいそれを指ですくって舐めてみると結構いける。冷やしてから器に詰める。
    なんかプロフェッショナルっぽいな、と、いつものごとく自画自賛。

    さて、これにあうバケットをと、
    オープンしたてのエミフルにで買い求ることとする。
    自宅近所のACTUSがパン屋をやめたと思ったら、cafeも閉めていたのだ。結構ショック。

    その4/25は、泌尿器科の外来が、一日で56人であり(これって泌尿器科的には多い)、
    きっとエミフルが明日オープンのためみんな早めに来るのだ、と、自分に言い聞かせて、ヘロヘロになりながら仕事をした。
    帰り着いたのは遅い時間だった。

    その他、イチゴのアイスクリームとか、ハンバーグとか、ボロネーゼとか、イカ団子とか、
    機械に頼れるものは頼り、それを料理の腕というのかといわれればよくわからないが、
    幅が広がったのは事実なのでなんかうれしいではないか。
    年取ると新しいことへのチャレンジがどんどん減ってきてそれだけでさみしいモノなんです。

    JUGEMテーマ:男の料理


    硫黄島からの手紙

    • 2008.04.24 Thursday
    • 16:08
    硫黄島からの手紙
    『硫黄島からの手紙』は確かに素晴らしい映画だった。

    栗林中将が自決するところとか、
    上官が脱走兵を撃ったり、擂鉢山戦線から離脱した兵士を上官が日本刀振りかざして切ろうとしたり、
    ちょっと荒唐無稽な感じのところもあったが、
    戦争という非日常にそれらはすべて埋没されてしまっているので違和感はなく、
    ハリウッドが描く日本人の荒唐無稽さからは縁遠い出来だった。
    日本人が極東の島で、禅とかにサムライとかカミカゼとかに吹かれかカスミを喰って芸者ガールが三つ指をついて・・なんてぇいうのじゃないことは確か。
    クリント・イーストウッドはやはりだてに長生きしちゃいない。
    スピルバーグも制作指揮だけど、ホント戦争映画好きだよなあ。
    『プライベート・ライアン』ももう一度見ようかと思わされる。

    『父親たちの星条旗』もこの映画も、同じ人間の赤い血が流れている同等の質の映画だ。

    だから、運命に翻弄されながらも生きてゆく人間存在の本質が観る者を苛むのだ、ひとしく。
    だれかは、1本で十分だっとと書いていたが、この作品、特に日本人である我々は2本をセットで鑑賞することが重要だ。

    戦うこと、塹壕を掘ること、雑草汁を喰って腹を壊すこと、敵を殺す前に赤痢で命を落とすこと、鬼畜米英、アカ、
    戦争の道具になること、国債を売るために戦争を美化すること、
    しかし、もともと戦争をしなければならない人間存在自体はどうしようもなく愚かしい。
    その中でも営まれてゆく、どうしようもないくらいの日常、しかしその背後には個人のレベルを超えた狂気が渦をまいており、
    その果てにはどうしようもないヒューマンビーイングってやつが鎮座している。

    渡辺謙さんも、若手俳優の二宮君も、実にいい。
    十七歳の硫黄島 (文春新書)
    それに触発されて、『十七歳の硫黄島』(文春新書)を読む。
    志願通信兵として、硫黄島で生きながらえた著者の記録である。
    淡々と描かれているが内容は凄まじく、久々に本というものを一気に読む。
    (そういえば腰を落ち着けての読書というのが最近ほんとにないなあ。愕然。)
    やはり戦争はいけないとか、憲法第9条は云々とか、自衛隊の海外派遣はどうのとか、
    そんなことを簡単に語れないような重みがこの本にはある。
    なんかそんな月並みなことしか語れない、それ以上は黙して語れない・・ような雰囲気なのである。
    すみません、言葉足りずで。

    通院の途上で、標識にぶつかって内臓破裂で死んだ患者さんの奥さんが、
    病院に鉢植えを持ってきてくれて、
    古い蘭の整備を若い受付の女の子に指導しながら、言われた。
    いつまでもくよくよしてもいかんからねえ、
    でも先生、やっぱりある日ひょこっと帰ってくるような、まだその辺におるような気がするんよ、
    そうそう、天国でたこ焼きでも喰っとんよ、と、僕は答えた。

    死ってやつはそんな日常の中では、いつも生の延長にあって、その感じがなんだか嬉しい。
    だって、おいらだってお袋が死んで何年もたったけどまだ実感わかないもんなあ。

    JUGEMテーマ:映画


    さらば、妖怪人間。

    • 2008.04.22 Tuesday
    • 17:48
    妖怪人間ベム O.S.T.
    JUGEMテーマ:映画


    朝起きて弁当を作る。
    飲みに出かけることが多く、当番を代わってもらっていた。
    といっても、昨晩作成したチンジャオロースの残りを暖めて、
    ビニール袋に漬け込んだ、カリフラワーとウズラたまごの甘酢カレー漬けを入れたものなのだけど。
    色がきれいなので、最近ご飯を炊くときに黒米というものを入れている。微妙な紫になるのだ。

    前に進もうとすると誰かが袖を引っ張り、
    舞台から引き摺り下ろそうとする。
    もう袂を分かちたいと思って後ろを振り向くと荒野の風が吹き渡っていた。
    いくつもの橋の下を多くの水が流れた、多くの涙とかも。

    妖怪人間ベムの物語が終わった。

    最後には街の人間たちが妖怪狩りをはじめ、疑心暗鬼と犯罪が街にはびこる。
    その悪の頂点にすえられた妖怪人間たち。
    でも彼らは、人間たちから攻撃を受けても、決して彼らを攻撃することはしない。
    なぜならそれが彼らのポリシーだから。
    そして最後に、彼らを救ったのは、純真な子供たちの『ともだち』を思う気持ちだった。
    なんかステロタイプだけど、おんおん泣いてしまった。
    彼らは街を去り荒野を目指す。
    いつの日か人間になることを夢見て。
    坂の途中でベロが言う、「いつの日かまたこの街に来ようね」

    『デビルマン』(永井豪)は人間の中の悪魔性が、人間を滅ぼし、
    永遠の時の流れで、サタンと悪魔人間(デビルマン)=不動明が愛の下に戦う物語だった。
    妖怪人間は、妖怪細胞から産み落とされ、
    何のために生まれてきたのか、何のために生きるのか定められてはいない。
    でも、彼らは信じている。
    正義を貫けばいつの日か人間になれる、と。
    そんなに人間はいいもんかい?
    何度も、ベムやベラは自問自答する。
    ベロは、おいらもっともっといい子にして人間になってたくさん友達作るんだ、と、無邪気に言う。
    未来は子供たちの純真な心の中にあるのだろう。

    さて、うちくだかれたオレタチのような大人たちも、
    何のために生き、何のために死すのか、
    じっくり腰をすえて考え直さねばならない。
    せめてそう思いついたときにくらい。

    でもすぐに疲れて日が暮れて、
    そしてダークサイドはいつも心の横に深い穴を開けている。

    Going solo

    • 2008.04.17 Thursday
    • 17:08
    JUGEMテーマ:健康

    決してwetではなくcoolであること、そして自分にはhardであること。

    今日面接にこられた女の子の履歴書に、冷静沈着に対処する、という言葉があった。
    おもわず眼が吸い込まれた。若いのにこういう言葉が平然と書けるのはたいしたもんだなあと感心した。

    冷静沈着に。不惑。感情のマグマに翻弄されない。
    たとえそれが糸を引くものだとしても、流れてしまえば元も子もない。

    人間は感情の生き物である。
    酔ったときはプリミティブな感情が爆発するし、怒れば短絡的回路にスイッチが入ったりもする。
    誰かを好きになると世間体かまわず盲目になったりする。
    それで失敗したし、手痛い仕打ちも受けた。
    嫌いになったらとことん冷たい仕打ちもできるし、
    嫌なヤツを虫けらでも殺すみたいに殺したりすることもできる、・・おっと、そりゃ違うぞ。
    感情があるからこそこの世は面白い。
    でも感情があるから傷つくし打ちのめされもする。

    小医は人を治して、大医は国を治すそうである。
    おれは小医でいいやとか思っていたが(おごるなよ!)、小医でいることもムツカシイ世の中のようだ。
    医療崩壊のことがあれこれ取りざたされている。姥捨て山よりひどいと野党の誰かさんは叫んでいる。分娩の受け入れの不可でこんなことでは安心して子供を産めないと若いお母さんが泣いている。救急医療の崩壊。でも受け入れないところへたとえ救急車がついても結果はミゼラブルだろう。そのときはそのときで別の議論が持ち上がるし、それこそ流行の医療粗鬆に発展するだろう。検察の医療事故への介入の敷居が下がったとかなんとか。とにかく医療粗鬆の件数はうなぎのぼりだ。説明義務と書かねばならぬ書類ばかりが増えてゆく上に、医療技術の進歩とそれに対する習得に格差が生まれている。5分間の診療をしなければ外来管理加算はとってはなりません、カルテにその旨をきっちり記載しましょう、だって。医局制度の崩壊。新研修制度。日本社会で終身雇用制はとっくに崩壊しているが、医療の世界でも遅れてその波は押し寄せてきて、医学以外知らない我々は途方にくれて立ち上がろうとするが、しょせん、保険点数はお上の懐の中にあり、医療は政治の上で踊っているのみ。自由診療とうそぶく先輩方もおられるが、たいていの医師は保険医で、指示された範疇でまじめに悩みながら命の値段の前で悩み続けている。でもトンズラしてゆくことにもうあんまり抵抗はない。だって医局制度は崩壊してるんだし、アンタに見捨てられても拾ってくれるところは山のようにある。そしてその考えは一元的には正しいのかもしれないけど、大局で見るとあんまり魅力がないことに気づけなくなってしまっている。だって疲弊しすぎているから。命を助けることと人を救うことと同じで違って、答えを出さない出せない人々の前で途方にくれていることもある。書き連ねても仕方ないのでこのへんで終わるが、人間の健康とか命に限界があることを誰かがきっちりアナウンスして欲しい気分になることも最近では多いし、命の重さも逆にもっと感じて欲しいため息気分のときもあるし、死んだ人は還ってこないから、よりよく生きようと思う夜もあったりして結構情緒は不安定である。命は決して平等ではないことにはたと気づく真夜中もあるし、そんなことにいまさら悩むのは小医の証拠だとも思ったりする。

    自分がよりよく生きることが、
    最も善きことなのだ。そう信じてはいるものの、
    自の幸せなきままに人を幸せにしようって言っても無理さ、と、チャップリンみたいに言ってはみるものの・・・。

    鋼のように、ガラスの如く レノンは唄った。

    もっと強く、もっと一枚の岩の如く、しなやかな風に揺れる枝ほど強いが如く。
    幾多の人の助けを借りながら生きていいるおれだが、
    おれもまたGoing solo。
    「ソロで生きると、一人で道を覚え、選択するが、集団だと全体について考えない。
    同じ時間を生きていても濃さが違う
    どういう世界にいても、そういう局面になっても、どういう年齢になっても、とにかくソロで生きていく。
    生きていける自分を持った上で、パーティに参加していく。
    そういうことを意識すると、わりと状況が変わるような気がします」
    (沢木耕太郎・東大寺講演;2008/4/16朝日新聞より)

    ちょっとわかったような気がする言葉に会う。
    soloであることの必要十分条件を満たした上でjoinしなさいよ。
    それがpartyだ、と、沢木氏は語っている。当たり前のことを。

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