いやだひとりきりは
そのぬくもりが愛なのに
風の中の火のように 火のように・・
甲斐よしひろカバーアルバムの第2弾
『10 Stories 2』が発売された。
プロモーションのためか、NHK『SONGS』で押尾コータローのギター(ウマい!)で『安奈』を聞かせて、
朝のモーニングショー『とくダネ!』でも別形態の『安奈』も演奏された。
朝のはよからの演奏、その収録直前にホテルのプールで泳いできたとか得意げに語り、
だってこれがボクの日常です、みたいなこと云ってるのが、
またさりげなくイヤミに聞こえるところが甲斐さんらしい(褒めてます一応)。
今回は映画的ニオイのする、歌ものというようなコンセプトだそうで、
竹内まりやの『駅』、なぜか尾崎豊の『I love you』、懐かしい『戦国自衛隊のテーマ』とか。
その他は『タイガー&ドラゴン』、『涙そうそう』、、『桜坂』なんてぇのもある。
『戦国自衛隊』は、昔サウンドストリートのカラオケで歌っていた。
古井戸の『ポスターカラー』も甲斐さんの生弾き語りで胸に染み入った曲のひとつだ。
そうやって甲斐さんにはいろんなことを教わった。
あの頃ラジオの向こうから聞こえる、甲斐がロック・グラスの氷の音をカランカランと響かせる音がなんかやたら大人のように思えた。思えばみんないきがっていただけなのかも。
ロックのテイストってヤツはね、とか。こうじゃなきゃロックじゃないとか。
つまりロックという言葉は非日常の彼方にあったのだその当時は。
2/20放映されたNHK『SONGS』で、
甲斐バンドは自分の演出でたった一回だけラジオ収録の現場にTBSスタッフが入っていって生中継をするという方式でのみベストテンの出演をした、という、ナレーションがあったが、
あの時もなんか甲斐クンは酒飲んで、ロックグラスの音を鳴らしながら、お茶の間の反感をかったんだよなあ。ああ懐かしい。
話題は変わって、どう考えても大人ターゲットとしか思えない復活
『ヤッターマン』。
たまたま見た回では『北の国から』キャラが出てくるし、
ドロンジョが「世界の端っこで愛を叫んじゃったりして」とか言う。
なんと主題歌が世良公則。
でも、なんか今風の言い方で言えば、いまひとつ癒されないのも事実。
それを見ていてなぜか、やっぱり俺を辛いときに助けてくれたのは甲斐さんだったということを思い出した。
多感だったかどうか知らないが中学生とか高校生のときの「俺たちの旅」の中村雅俊、
あの荒野の一軒家で聞いたシオン、そして今は等身大の山口洋さん、花田裕之、
あの寒い京都の冬にかかっていたスプリングスティーン、
とか、いろんなモノに助けられて寄りかかって今の自分がある。
で甲斐さんの話。
ファン誰もがおおこの声量のなさは、と、唸った『2007再結成ライブ』からまだ数ヶ月。
やはりTVでも、なんか往年の艶やかなボーカルが損なわれている感じはうかがい知れる。
苦しかったよなあ、『アウトロー』のシャウトも。
毎日jpにインタビューが載っており、
「来年はシリーズ3作目ではなく、オリジナルと思っています。明快でわかりやすいアルバムをね。変に重厚な内容ではなく。聞き手を怖がらせないようなアルバムを作りますよ」
何のかんのいいながらファンは自分の中の甲斐を追い求め、理想と違うときはそのギャップを味わい、
オリジナルをリリースしてといい、出たら出たらでまたあれこれ云って、
結局は追い続けるんだ。
勝手なもんだよ、お互い様だけどね。だからオレは全然OKよ。それがオレのテイストだから。
そんな風に甲斐さんは言うのだろう。