夕方からよんやくで『LUTS』講演会。
よんやくMSクロスワイズ・セミナーというものだそうな。30分程度。
ようはユリーフをいかに売るかという会だったらしい、のだが。
例の如く、そのあとは夜の街で酔いしれる。第一三共の大泉さん、少し変わっている。
●中外vsキリン・・てな呑気な話じゃないぞなもし
エポジン(中外)JETスタディの中間報告レポートもらう。
エポジンは1990年発売され、確かにそこから腎性貧血治療の概念はガラッと変わった。
昔の患者さんはHtとか20くらいで、どうしようもなくなるとよく輸血していたものだ。
今回のスタディは透析導入期に、エリスロポエチン製剤を使用開始した人のその後を追うもので、
ほぼ導入早期にエポは投与されている。
保存期からのエポ使用は63.15%であった。
透析導入されてからは、平均4.40日目に使用開始されている。
投与3ヵ月後の平均Hb10.41g/dlで、
エポの使用量は3000*3 24%、3000*2 15%、1500*3 23%、1500*2 10%であった。
すなわち透析導入後、いわゆる適正Hbまで到達されるには、エポのみで見ると4500単位以上を要するということ。
維持透析では、エポ製剤が技術料に包括された。ひらたくいうと病院の持ち出しということだ。
4500単位/w以下で始めてスケールメリットが出るようなことをいろんなところには書かれているが、
この結果から判断すると、少なくとも3ヶ月ではそこまでの到達は難しいと結論されたわけである。
そこで新製剤ネスプ(キリン)の登場である。
こちらは維持透析患者専用とうたわれており、
半減期が長いため週一回投与で可能ということである。
比較する同等スケールでいうと新製品のほうが当然薬価は安い。
最高量の9000単位/週とネスプ40マイクロを比較すると、月の差額は-14252となる。
こりゃこっちに移行したくなるよなあ。
7月になると臨床サンプルの使用が可能になるらしい。
でも、ネスプに誘導しておいて、
その分エリスロポエチン全体の実働価格が下がる方向にいったとしたら、
今度は別の何かを包括化にして(ダイアライザーとか画像検査とか?)
ますます透析医療費を削減するつもりなのかな、厚生労働省は。
今、医者の不足が騒がれているけど、
確かに昔と比較すると医療レベルは上がってきており、
それらを充分に提供するには、設備投資とマンパワーが、昔よりは絶対必要なのだ。
特に基幹病院といわれるところは絶対そうだろう。
多くの医師、看護師、スタッフ。設備。
その財源を縮小方向に向けたら・・やっぱり、崩壊しかないだろうな。
雨のなかなか降らない松山で、こんなこと考えながら、黙々と働いて今日一日を乗り切る。