頭のいい人の時間術
斎藤 茂太
最近の新書ブームに乗って出る新書は、ホント語りおろしみたいなものが多い。
手軽に読み飛ばせるというのをコンセプトにしているせいだろう。
往年の岩波新書とかとはテイストが違うようである。
斉藤茂太先生(先日亡くなられてしまったのだが)の著作を手にとるのは、
実は始めてである。
時間をいかに活用するかということは、誰でも一度は(何度も)悩むことだろう。
すぐにマニュアル本に頼る日本人的自分としても、
(ネットですぐにググるのも似たようなものかもしれない)
ついつい、本屋でその類の本を手にしてしまうのは当然の帰結である。
(そうやって読まれないまま積まれた本たちも多いけど)
野口悠紀雄先生の本も読んだし(自分のHPを自分の情報の源にしろというのは目からウロコであったが更新できないまま停滞している有様・・)、
クマガイ某の『一冊の手帳で夢が叶う』もなるほどど思い、
紆余曲折があって、『ほぼ日手帳』を2006年度から使い始めた。
『朝3時に起きればすべての夢がかなう』というような本も読んだ。
実生活では、眠れないで早朝覚醒して悶々とした時期もあったが、
今はまったくそのようなこともないわけで、したがって早朝起きて何かをするなど現時点では不可能的であると思っている。
この本は、カルロス・ゴーン氏の実例とか、日野原先生(どうしてこの人は90を過ぎていつまでも元気でいつづけられるのかの一端がわかる)の生活パターンとか具体的に載っており、なるほどと思わされる。
しかし、時間を有限の財産と考え・扱うといった視点をもって、時間に接することが出来る人にしか、やはり時間を有効には使えないのだ、と、
当たり前のことを思い知らされる。
求めよ、さらば与えられん、というわけだ。
とか、こうやって書くと当たり前だが、時間はホント資産なのだ、と、
人生の半分くらいを切った自分は思い始めている。
相変わらず焦っているだけなのだけど。