ミッション;ある男のペニスを切断しなくてはならない。
で、二人はなぜか部屋にいる。二人そろって、白のブリーフのみだ。
短い足とそれに続くぽっこり出た下腹部が、壁に掛かった大振りの鏡に映し出され、それだけで哀しくなる。
二人ともきっとそうトシは変わらないのだろう。中年。
彼をリラックスさせるためか、自分のためか、二人は酔っぱらい、机を叩きながら、なんかアニメの歌を歌う。
キャプテン・ハーロックとか宇宙戦艦ヤマトとかそんなのかな。
やがて彼がブリーフをおろし、オレも全裸になる。
二人全裸で、なんか背後から彼のお尻をすりすりしたりする。
おおこの触感がたまりませんなあ、とか。(ナニヤッテンダ、ダイジョブ?)
暗転。
鈍く銀色に光る手術台の端が、ひかれた緑のシーツの横から見える。
緑のシーツの間にあいた間隙。
布鉗子で留められた隙間からペニスのみが露出している。
男のペニスの半分くらいまで妙な角度に曲がっており、切断端がクローズアップされる。
電気メスの音。肉の焼ける匂いと立ち上がる煙。血流を遮断しろ。出血が止まらない。心配するな、出血量はたいしたことはない、大もとの血管をクランプするんだ。
これは環状切除術でもない。パイプカットでもない。あの忌まわしい、陰嚢水腫のopeでもない。シャントトラブルでもない。ましてや腸管穿孔でもない。
何を怖がっている。お前が恐いと切られる方も恐いのがわからないのか。
そして、
いつしか切り取られたベニスは死んだ鯉のように黒ずんでバットに置かれている。
陰茎の皮膚で作られた皮弁は、新芽のように男の股間からちょこっと突き出ている。
ああそんな夢がオレを苛み、苛み続けるのか。