
3/13『えひめ排泄ケア』勉強会から、混み合った道路をいらいらしながら帰り、風呂に入って、すぐに、今度は松山に向かって出かける。
排尿障害学術講演会と銘打たれてはいるものの、実は過活動膀胱治療薬『ベシケア』発売3周年にかこつけた講演会ではある。
特別講演は、日本大学の武田悟先生の『つらい突然の尿意 過活動膀胱とPelvic Health』。
その前座に3題のエントリーがあり、うち1題が自分というわけだ。
19:00-20:45くらいの会で、出席は51名だったとのこと。
『当院におけるベシケア7.5-10mg使用患者の解析』というエントリー。
一般的にはこの手のクスリは、頻尿とか尿意切迫とかいう過活動膀胱(OAB)に用いられ、常用量は2.5-5mgである。
それを高用量使ったとき(多分使う人は少ないため)の、効果は、副作用は、継続率はどうなの、という報告なのである。
泌尿器科の常識かどうかわからないが、きっとこういうクスリはそんなにたくさん出すもんじゃないよ・・というような不文律がある(ような気がした)ので、最初は気が進まなかったのだが、ざっと洗い出してみると47名と結構使っていたので引き受けた次第。
作業を開始したのが、1月27日。
2月初旬にスタッフにカルテ引っ張り出してもらう。
これがとんでもなく大変だった。
レセコンって思ったより馬鹿だし、古いデータ消えてるし、どうしてデジタルデータなのにこんなトロいのかね、では電子カルテなら瞬時に集計可能なのか、誰か教えて!というわけで調剤薬局のほうにも頼りました。
2月9日。エクセルだと異様に横幅が増えて打ち込めないことが想定されるので、カード方式の入力シートを作ってみる。
こういったデータベースを作る時には、FMP形式のものとかがいいのだが、今更戻れないし。Macにも同様の理由で戻れないのだけれど。1患者1枚のカードに手入力を始める。
バタバタして、いろいろあって2月22日あたりから、エクセルでデータベースを作る。これもスタッフに協力してもらう。深謝。入力始めると足りない部分があることに気づく。全データ数は50足らずなので読み返せるが、これが膨大な量だと、初めのプランニングしくじると収拾つかない。やはりクレバーで完璧な計画が必要なのだと痛感。それでもエクセル形式になると計算式入れたりして、急に進捗状況がアップする。
この際だ、と、グラフもきれいだしなぁで、エクセルも2003→2007にup、パワーポイントにいたってはいきなり2000から2007にしてしまったので、急に勝手が違って混乱するという面もあったりした。古い自分のXPのマシンはよくフリーズするし、頭はとっくにフリーズしてるし。それでもエクセル君が頑張ってくれてグラフがそれなりにできていく。
アステラスの方がいろいろ文献を持ってきてくれて、それを読み込みながら考察を考える。結局、考察が1-3となってしまう。
日赤明けの二日酔いの水曜日に大体ののグラフができる。
そして2月23日木曜日に、夕方からパワーポイント作り始める。
【Methods】
当院で、H18.6(ベシケア発売時)からH22.1月まででベシケア7.5mg、10mgを処方したことのある患者に対して検討したので、報告する。
・男女比 年齢
・男女比 年齢
・全身疾患
・前立腺肥大症の合併(男性)
・腹圧性尿失禁の合併(女性)
・主訴
・効果
・副作用
・内服継続期間
・前立腺肥大症の合併(男性)
・腹圧性尿失禁の合併(女性)
・主訴
・効果
・副作用
・内服継続期間
で、結論としては、何のかんの言いながらも結構皆さん飲み続けておられた。
平均投薬継続期間も400-500日という結果だったし。
1例尿閉というとんでもないチョンボをしてしまったが、あとは重篤な合併症もなく投薬できておりました。
これってやっぱりそれなりに満足度は高いってことなんだろうな、ってことだと思います。
まあ、他に頼れる薬剤がないというのも大きな要因だとは思うのだが。
【考察】
安全かつ効果は高く、また効果は持続する。副作用も5mgと10mgでそう差はない。
Discussion-2 αブロッカー+抗コリン剤投与に関して一般にこの手のクスリの1年継続率(通常量投与)は調べてみると30-40%であり、田中らのデータでは、中止理由で最も多かったのは「症状の改善」であったとのこと。また中止群のうち86%は内服3カ月以内での中止であることから、効果発現も早く、中止後も症状の増悪しない例が多く存在するのではないか、と、述べている。
当院における処方が400-500日近いことに関しては、上記の報告と比較し、高用量投与であり重症例が多いこと、しかし、重症例でもある程度症状改善しており、患者満足度が高いことが推察された。新たなる機序の薬剤の開発が待たれる所以である。
当院における処方が400-500日近いことに関しては、
という次第で発表したのだが、
懇親会では継がれるままにワインをしこたま飲み、
いつのまにか一歳の男の子の父親となった元・弟子といつもの『のり庵』へゆき、
NHKのえくあんカップルと病気腎移植の話をして、
りかちゃんに誕生日プレゼントの『グラッパ』(強い酒!)を渡し(Happy Birthday!!)、
自分たちはのりやん用焼酎をついでもらい、
その日は緊張のあまりかエンジンスタートが遅かったのではあるが(なぜか途中まで敬語でしゃべってた)、
やはり、ただただ酔っ払いに向けて急ぐのであった。
(追加or蛇足)
これ、すごいと思ったのは、Googleで作ったHPのほうにはpdfそのまま貼り付けられるんですよ。
すごい、とか思ったのは自分だけで、もはや常識?
また、参考文献の中に、松山市民病院の伊勢田先生(先輩)の『女性の過活動膀胱患者に対するコハク酸ソリフェナシンの短期有用性と休薬希望理由の検討』(泌尿器外科2009年、22(7),867-872)というものがあっだのだが、これは、以前、同様の会で先生が発表させたものを論文に昇華させたものだった。
よくこの業界で言われるのは、発表というのは『やり逃げ』みたいなもので、それが論文としてパブリッシュされてはじめて認められる、と。たまたま先生の発表を自分はリアルタイムで聴いており、それがここまで詳細な検討に発展するのか、と、久々に感嘆した。
さて、その時、この自分の発表も論文形式にできるか一瞬考えてみたのだが、後ろ向き研究で、客観的なデータに乏しいことでやっぱり没となったわけである。
まあ、開業すると学会発表もほぼ減り、日々の臨床が生活のほとんどになるわけですが、たまには、こうやって自分の見てきた患者さんたちを分析してみるのもいいです。かなりしんどかったけど。
で、こうやって延々と自分にエクスキューズしてるわけです。長かったトンネルを抜けた気分。それにしては明るくないが。
おしまい。
- 2010.03.17 Wednesday
- 泌尿器科
- 13:31
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- by うらら科学の子