日経メディカル2009.7月号に、いつも勝手に個人的に(一方的にですが)お世話になっている新宿さくらクリニック・澤村先生の記事が載っている。
『見直し迫られる尿道炎治療』というものだ。
現状では、淋菌のニューキノロン耐性が進み、もはや第1選択は注射製剤となっていること(ここまではガイドライン通りだが認識がまだ浸透していない様子)、淋菌とクラミジア以外の起炎菌も結構いるという事実だ。
当院では、性病を疑う患者さんには必ず淋菌・クラミジアPCR検査を施行している。前立腺炎とか精巣上体炎の場合も、若い人とか性交可能年齢の方には一応断りを入れた上で、最低クラミジアPCRは施行するようにしている。咽頭検査では交差反応の出にくいSDR法を用いて淋菌検査している。
投薬前に、完治までのフォローの必要性・症状がなくっても完治まで受診すること・パートナーへ感染の問題等をこんこんと説明して、結構厳重にしているつもりだが、それでもドロップアウトする患者さんはいるし、残念ながら治療の反応性が悪く難治性の方もおられる。
いろんなファクターを軽視して治療すると、疾患の性格もあって、症状がちょっと軽快したところでドロップアウトして、パートナーもしくはそれ以外の女性にまたうつしたり、最悪なのは疾患が遷延化してしまい泥沼になり患者さん自身が苦しむことだろう。あっちの泌尿器科でだめでこっち行ってという永遠のサマリア人みたいになってしまう。
新宿という大都会で、自分とはケタ違いの数のSTD患者を見られている澤村先生の統計によると、
クラミジア27.9%
淋菌クラミジア合併9.5%
淋菌27.3%
その他35.3%
となっており、なんとその他が3割強もいる。この「その他」の中に、論文とかにはよく出てくるマイコプラズマ・ジェニタリウムやウレアプラズマもいるわけだ。
こういう時に、先日ファイザーから出たジスロマックSRが切り札となるのだろう。
ちなみに仙台市あいクリニックの伊藤先生は、漿液性分泌物でクラミジアないしマイコプラズマを疑う場合には、シタフロキサシン(グレースビット200mg*7days)、ドキシサイクリン(ビブラマイシン200mg*7days)、ジスロマックSR2g単回を使用しているとのこと。
言っとくけど決してファイザーのまわしものではない。誰かさんがSTD見たらなんでもかんでもジスロマックを乱発しませんように。
(参考文献、日経メディカル2009.7 p26_27;見直し迫られる尿道炎治療)
写真はそのファイザーのMRくんのアピールショット。紹介してくれといわれても不可能ですので。一応さりげなく、まゆクーさんに教えていただいたPicnicで加工してみた。
ソフトのダウンロードもいらないし、簡単ですよね。また面白いものがあったらご紹介しますね。
まゆクーさんはホントはどうかわかりませんが、優雅にいろんなことをさりげなくこなしているように見えてうらやましいです。
隣の芝生が青いだけの話かも、ですが。
ネットでつかえるソフトというのは実にいいです。でも、Googleドキュメントでppt書類作ってたら、頻回にフリーズするので、結局普通のパワーポイントで作ってしまいましたが。