二日酔い。昨日は『のり庵』忘年会だった。
いろんな人が集まって、勝手にしゃべって、勝手に飲んで、騒いだ。のりやんと陽水をはもった。
急に唄いたくなり、吉田拓郎の『唇をかみしめて』をやるが、ペケ。
頭の中では拓郎とかみゆき姉さんのこの歌が流れているのに、マイクから出てくるのは程遠いしょぼいしょぼい声。
人が好きやけんね 人がそこにおるんやけんね・・って、センチメントを一応かみしめながらも。
ただのさびしい中年男がひとり裸に剥かれただけのザマでした。
のりやんがからみ、キリンの兄ちゃんは調子よく、クワバラさんはいつものマイペースで、不動産はレビトラを連呼し続けた。
イタチョウは好青年で、温厚なナカムラくんが最後に怒ってた。リカちゃんはいつものとおり黙々と働いていた。
描きたくなって、小児科ナースたちの顔をスケッチした。
ああ彼女たちの、耳のラインを覆う髪。そして少しずつ違う唇の輪郭。それらは酔っ払いのオレのスケッチでは描ききれない。
『海街ダイアリー』は鎌倉の街を舞台にした連作ストーリーだ。
離散した家族。古い家に住む姉妹。腹違いの妹。骨腫瘍で右足切断したサッカー小僧。闇を抱えた高校生サーファー。
海。稲荷。蝉時雨。小児科病棟。恋愛。
そう、昨日の彼女たちはみんな日赤の小児科メンバーだった。子供が重い病気を抱えて病棟という非日常的空間で生きてゆく。それはどれほどのことなのか。
その子供たちをこんな若い方たちが支えている。自分だって一応は医療業界の人なのに、彼女たちの話を聴いているとただの素人になってうなづいていた。うんうん。そうなんだ。
病気の子供にせがまれてアンパンマンとか描くけど、なかなか上達しませんよねぇ。あれ、それでオレはどうして泌尿器科になったんだっけ?
いろんなものが絡まりほぐれてまたもつれて、時は流れてゆく。
ああ、吉田秋生の描く物語を、高校生の頃からたどってきたんだな。『カルフォルニア物語』のヒースとイーヴの頃から。
人生なんてコトバにするとそれだけで終わってしまいそうだけど・・。
のりやんありがとう。