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    開業以来ずっといてくださった婦長さんの退職の日、「西行花伝」を読み始める。

    • 2013.03.01 Friday
    • 18:56
     春は別れの季節だ。

    2月にスタッフが2名やめられた。
    そのうち一人は、開業以来ずっと一緒にやってきた婦長さんで、一応、定年退職という形になる。
    そりゃあ長いこと一緒にやってきたんだから、いいことばっかりではない、山あり谷ありの14年間だった。
    でも、やめられるという話が具体的になってからは、寂しい思いが去来する頻度の方がやはり多かった。

    ご苦労様でした。
    ほんとにいろいろありがとうございました。

    病院を始めたのは自分たちだけど、越し方と行く先を眺めると、もはやこの病院はみんなのものであることに気付かされ、なんか涙腺が自然に緩んでくる。
    (まあそう思えないヒトっていうのはこの「病院」を形作ってるんじゃなくって、病院という場所で、特に自分の目から見ると、単なる「労働者」として存在するヒトでしかなくって、それはそれでいいんだけど・・だってしょせん金の取り持つ縁なのよ♪と憂歌団のブルースみたいに言ったって間違いじゃあないんだから・・・)
    長い時間、一緒に働いて、そこで生じるものっていうのは、
    いわば、長く溜まった澱と、そこから発酵した良質のワインみたいなものでしょうか、例えるとするならば。
    特に古いものたちは、その両者を少なからず兼ね合わわせている。
    いい面もあって、そうでない側面もあって。

    でも、とびっきりの極上ワインだったんだ、婦長さんはね。

    開業医には定年がないんで、いつまでもできるんで羨ましいと思いますよ、なんてぇ言葉を聞く。
    こんなご時世で、そのとおりであることは、なんてありがたいことなんだとも思う。
    でも、自分の人生にある一定のラインを、ある年齢でスパっと引くってことも、潔くって、羨ましいことでもあったりする。
    グジグジやって、自分で自分の評価さえできなくなってるのに、しがみつくのは嫌だしね。
    ラインを引いて、それでまだまだ続くかもしれない長い人生、なにか新しいことを始められたら、それはなおいいことかもしれない。

    そんなふうに見ると、やめられた婦長さん、無茶苦茶元気だ。
    いまどきの60歳ってぇのはそういう年齢なんだ。

    自分も知らぬ間に52歳になった。
    まだまだと思う反面、もうちょっと力抜いてもいいんじゃないのって思う時もある。
    走り続けてきたんだよ。若造どもよ。
    まあどっちもどっちなんで、まあ、日々をいくのみなんだけど。

    道は希求するものには、自ずから与えられるという。
    ほんとだといいな。

    そんなこんなで、いつも迷い続けの「我が人生」なんだけど、年末から心に住み憑いた「西行法師」、
    辻邦生氏のぶっとい文庫本「西行花伝」をようやく読み始めた。
    なぜか一章読んでその途中で爆睡してしまう・・だから遅々として進まない。
    昨日もなんか、寝てしまい、それから妙にくしゃみと鼻汁の連続だった。

    序章での、藤原秋実(あきざね)が、はじめて西行に出会うシーンでのやり取り、こんな言葉が記されていた。

    「どうしてでしょうか。私は正しいことが世に現れてほしいいと思います。仏法とは申しませんが、せめて公正な生き方だけは」
    「この世には人々がいるだけ、それだけ公正な生き方があるのです。すべての人は自分は正しく生きていると思っています。それをどう塩梅し、より広い人達が安堵を得るかが大事です。羅生門に住む鬼どもでさえそう思っているのではないでしょうか。
    (略)
    「でも、そう考えなければならないとしたら、私は何をたよりに生きていったらいいのか分かりません。誰が何をしたって正しいことになるわけですから」
    「その通りです」
    「では、何をしてもよろしいのでしょうか」
    「いいでしょう。ただしその際、正しいことをしていると思ったり、そう言ったりすべきではないでしょうね。むしろそんなものはないと思い定めるべきですから。あなたも何が正しいかで苦しんでおられる。しかしそんなものは初めからないのです。いや、そんなものは棄てたほうがいいのです。正しいことなんかできないと思ったほうがいいかもしれません。そう思い覚ってこの世を見てごらんなさい。花と嵐と光と雲があなたを迎えてくれる。正しいものを求めるから、正しくないものも生れてくる。それをまずお棄てなさい。」

    (辻邦生著「西行花伝」新潮文庫,p36-38より)

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