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  • 2014.04.04 Friday

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    自分もとしとってきてちょっとだけわかるけど、高齢化社会で何をどこまで治療するんだろうねというまあつぶやき。

    • 2013.03.20 Wednesday
    • 11:42
     愛媛県の泌尿器科医会での『前立腺癌登録』では、PSA4-10のがん陽性率は4割強となっていた。
    まあまあ妥当なデータだと思う。

    ちなみに、グレーゾーン(4PSA<10)の患者さんには、
    「20-40%がんが見つかるけど、逆に言うと、6-8割はがんじゃないってことなんですよ」と説明している。

    検診で前立腺癌発見したからといって生命予後に貢献できるわけではない、いや違うとかいった、あの論争はどうなったんだろうとふと思ったりもする。
    多分決着ついてないんだろうけど。

    確かに、高高齢者が増えてくると、そういった方に関して前立腺がんを見つけてどうするの、といったことまでビジョンを描いて、するんなら精密検査しなさいよと思ってしまう。
    それは認知症の膀胱腫瘍とかに関してもしかりだ。
    でも、みつけてしまったからには治療せんとね・・家族がしてください・・というケースもあったり、じゃあ見つけなかったら良かったのかよという側面もあったりで、なかなか医学的なことだけでは解決しない。

    それを言い出すと、透析導入とか中止についてもいろいろ考えさせられるわけで。

    保存期の腎性貧血とかに対して、高い高いネスプやらミルセラなんて注射を外来で使ってるけど、それでもってHb10程度でキープできて、クレアチニンもまあ3くらいまでの低空飛行でいいから、死ぬまで行ってくださいよ、と、いつも思う。
    そりゃあ、透析せんまま全身状態が悪くなってくのも酷だけど、85歳からの新規透析はやっぱりしんどいでしょ。
    (まあ透析になったらなったで、がんばって、より元気で生きていって欲しいもんだとも思いますけどね。誰かさんのせいにするんじゃなくって。)
    でも、介護保険だって本人がイヤイヤと言ってても、利用してみたらひょっこり元気になる人もいるしで、なかなか世の中わからんことばかりが増えてゆく。

    どこか外国のデータでは、75歳以上の前立腺癌では、GS>8・PSA結構高値でないと治療介入はしない、しても他の疾患で死亡する確率のほうが高いからみたいなことも書かれていたなあ・・。

    まあどう転んでも我が国の平均寿命が90を超えることはないだろうけど、
    男性の平均寿命が80歳、健康寿命70歳という世の中で、どこまでどう治療介入していくのか全くムツカシイ問題だと思う。

    まあ、いずれにしても、よりよく生きることでしか、よりよく死ぬことの関しての入り口も開きはしないのだろうけど。

    そして、いつもの自問自答(これは病気を抜きにしてのことですが)を繰り返すのでした。
    「おれはよりよく生きているのか、過ぎてゆく一日一日を?」
    ・・っていう毎度のヤツを。

    harusame
    okayu
    salada
    GIV

    ずいぶん遅くなったけど、ホワイトデイの日のメニュー。

    韓国春雨でずっと作りたいと思いながら放置されていたチャプチェ。
    ブロッコリーとチーズが入ったお粥。ほっこほっこ。
    ゆでたまごで作ったレタスとのサラダ。
    地元では老舗の「GIV」のケーキが、なぜか買い物にいった生協に売られていた。それこそホワイトデー需要なんだろうけど、なぜこんなトコロに、苦戦しとんかな〜、などと思いながら、久々の味を噛み締めたのでした。

    万物流転 〜ホラホラ、これが僕の骨だ〜

    • 2013.02.26 Tuesday
    • 15:19
    pirokichi20130226

     http://web.stagram.com/p/373660209655523811_13128529

    自分のために他人の死があるわけでもないけど、みんなが当然それぞれのstoryをもっていて、それはこうやって陽の光にさらしてみると何らかの化学反応を起こすのかもしれない。

    よくお墓に、新しい花がいけられている光景に遭遇するでしょ。
    花は枯れるので、新しい花がそこにあるということは、かつて古い花もあって、それの意味することを考えると、この世も捨てたもんじゃないなとも思う。
    でも、自分は墓もいらんし、墓に花を捧げることもないだろうけど。
    だからこうやって書くことぐらいが、自分が捧げる花みたいなものなのかもしれないんだけど・・。

    そのヒトのことを考えてる時は、そのヒトは生きてるんだっていっつも言ってるアレですよ。

    そんなこんなで、中原中也の歌を思い出した。
    河原から突き出た、白い漂白した「骨」という詩だ。
    それは僕の骨でもあり、きみの骨でもあり、死んだ彼の骨でもある。

     ホラホラ、これが僕の骨だ、
     生きてゐた時の苦労にみちた
     あのけがらはしい肉を破つて、
     しらじらと雨に洗はれ
     ヌツクと出た、骨の尖。

     それは光沢もない、
     ただいたづらにしらじらと、
     雨を吸収する、
     風に吹かれる、
     幾分空を反映する。

     生きてゐた時に、
     これが食堂の雑踏の中に、
     坐ってゐたこともある、
     みつばのおしたしを食つたこともある。
     と思へばなんとも可笑しい。

     ホラホラ、これが僕の骨――
     見てゐるのは僕? 可笑しなことだ。
     霊魂はあとに残つて、
     また骨の処にやつて来て、
     見てゐるのかしら?

     故郷の小川のへりに、
     半ばは枯れた草に立つて
     見てゐるのは、――僕?
     恰度立札ほどの高さに、
     骨はしらじらととんがつてゐる。


    彼は前立腺癌手術目的で入院してきた。
    前立腺全摘術というのはまあ長い手術で、
    手術の術層が深いところにあるため、
    身体を斜めにしながら言われるがままに開創器を持っている研修医の自分などは術野はなぁんにも見えず、
    しびれて手の先の力を抜くと怒られ、かと言ってその微妙な鈎持ちのニュアンスなどわかろうはずもなく、ただただ立ちすくんでいるのだった。
    ここが静脈叢で出血がやばい・・とかいわれても蚊帳の外だし・・。
    まあ、そうやって、長い長い手術もいつか終わる。

    前立腺癌で、全摘術の日の夜中、彼はベッドの上に仁王立ちになってバルーンを引きぬこうとした。
    前立腺を摘除するということは、とったあとの膀胱と尿道を端々吻合しているということで、その切れた部分をつないでいるバルーンは最後の命綱だ、決して抜けてはいけないものだ。
    しかし彼は、せん妄状態となって、引っ張った。身体中に圧力がかかり、抹消に留置した点滴チューブからも血液が逆流している。
    当時、研修医だった自分は主治医だったにもかかわらず、当然どうしようもないわけで、ただあたふたするだけ。
    当直の先生が対処してくださり、事なきを得た(のだと思う)。

    いずれにしても遠い遠い昔の話だ。
    彼は華道の先生で、その立ち振舞から、ゲイじゃないのと、看護婦さんはじめ、僕らみんなは、面白おかしく語っていた。
    ゲイなのに前立腺癌になっちゃうんだ、ああ、違うよ、まさに男の病気だから本望か・・などと失礼極まりないことを言ったりもした。

    その彼が、ケアハウスに入所していて、認知症もあってで、何十年かぶりに遭遇した。
    尿道狭窄になっており、透視下に、カテーテルを膀胱まで挿入し、それをガイドに細い腎盂バルーンをなんとか入れ、ルートを作り、それから時間をおいて、数回かけて拡張した。
    最後には十分なルートが出来ただろうと判断し、バルーンを抜去した。
    その後、なんとか自己排尿でいけており、「よかったですねぇ」と言った。
    「もうあんたは痛いことばっかりするんじゃから、いけんてぇ、もうせられんてぇ」
    彼は、尿道拡張の時はいつも語尾を荒げた、ほぼ怒鳴る感じで。
    それでもそのあとはいつもの柔和な顔になり、あの頃はお互い若かったねーという話になったものだ。

    そんな彼の死亡が新聞記事の片隅にぽつんとあった。90近い年齢だ。
    こんなことを書くのはどうかと思う。
    でもこれは記録だ。
    ただの記録だけど、ある形における、彼と、僕と、そして、きみやきみたちとの、生きた、生きてきた証でもある。
    それらもいつか薄れ消えてゆく。全ては滅する。そして流れてゆく。
    それもよし。
    それもありだ。

    松山泌尿器科会(こんな時僕はバーボンを抱いているどうせ力などないのなら酒の力を借りてみるのもいいさ「ペニーレーンでバーボン」by吉田拓郎)

    • 2013.02.05 Tuesday
    • 20:26

     2013/02/02、松山泌尿器科会で発表した。

    『前立腺肥大症(BPH)に伴うOABに対してのベタニスの使用経験』というものだ。

    臨床家であれば、まあなんちゅうことない講演内容ではあるのだが、結構短い期間で38例(BPH患者に限って)に使用した。
    決して少なくないのではないかと思う。
    それだけ、抗コリンではちょっと難渋する例があると考えてよいのではないだろうか。

    さて、今回のミソは、
    前立腺肥大の患者さんで、今まで尿閉とかの既往があって、
    OAB症状(切迫とか尿失禁とか夜間頻尿)があるにもかかわらず抗コリン禁忌としていた方たちにベタニス使ってみてどう、・・という内容を最後に検討したことだ。

    症例数は5例。
    結果としては、ベタニスによる尿閉のリスクは少ないということが実感できたし、喜んでくださる患者さんも少なくはなかったので
    おお、なかなかいいじゃん、この薬いけるよという、個人的感触も含めての発表だった。

    ヨイショではないけど、
    抗コリンの時よりも、「先生、なんか治ったんような気がします」とか言ってくれた人が多いような気もして、
    「オレのおかげじゃなくって、クスリのお陰ですよ」とか答えたのだが、こういうのって医者冥利に尽きるよなーとにんまり。

    特別講演は、旭川医科大・腎泌尿器外科学講座教授の柿崎秀宏先生。

    『過活動膀胱治療の新たな展望』という演題で、
    いつもながらにクリアカットな話を傾聴させていただいた。
    実際の動物実験データとか臨床トライアルもわかりやすく紹介していただいて、自分が偉いわけでもなんでもないのに、なんか急に偉くなった感じ。
    (おまぬけだな、相変わらず、おれ)

    まとめると、
    BPHに対してαブロッカー処方してOAB症状とれない患者さんには少量抗コリンから、
    それでもうまくいかない人にはベタニスを・・でも最初っからベタニスでもいいかも?ということでした。

    こういう発表をさせていただいていつも思うのだが、
    我々開業医というものは、大病院の新人研修医みたいには特殊な症例報告はなかなかできない
    そもそも学会ってなんのためにあるの、だいたい開業してたらろくにいけんし、それでも点取らんと専門医更新できんし、
    ちくしょおとか時に癇癪も起こるし、そんな時、たまたま時期があってしゃかりきになって発表してみるものの、
    柿崎先生のような高名な方のエビデンスに裏付けされた素晴らしい話と基礎データの蓄積の話を拝聴すると、
    なんか「ある部分」ではやっぱり徹底的にうちのめされるのでした。

    moon
    まあ、ワインバー『GrandCru』出て、
    ひとりでBar(『ConAlma』)でとびっきりのきんかんカクテル作ってもらって、
    「一杯きりでこれからは立ち去るヨォ」とかかっこいいこと言って軽く手を振って店を出て、
    いつもの『ぞーな』にたどり着き、チキンのクリーム煮を食べて、
    のりやんと『トイレット博士』やらジョージ秋山『ザ・ムーン』の話してる頃には、そんなことどうでも良くなってたんですけどね。

    ちゃんちゃん!

    OABの薬『ベタニス』 その2

    • 2012.12.27 Thursday
    • 12:33
     またまた、過活動膀胱(OAB)の話である。

    前立腺肥大(BPH)を有しており、なおかつ、尿意切迫とかのOAB症状を合併する患者さんに抗コリン薬の併用をすると症状が改善するというのが、随分一般的な見解になってきた。

    とはいえ、前立腺肥大は、もともとは排出路の障害であるため、
    膀胱平滑筋の弛緩の方に働く抗コリン薬をやたら使うと、排尿困難とか、尿閉とかいう副作用が表に出てきて、えらい目にあう。

    (実は自分も尿閉を起こさせてしまいました^^;)

    TAABOスタディでは確か、ハルナール0.2+バップフォー10mg(20mg投与より)群の成績が良かったように記憶している。
    少量投与がいいと考えてまず間違いないだろう。

    今回、キョーリンのMRさんが下さった、
    「前立腺肥大症に伴う過活動膀胱(OAB)症状に対するα1受容体遮断薬とイミダフェナシンの併用効果に関する観察研究」
    (泌尿器外科 2012年 25(3),345-352)という文献をを読む。

    >α1受容体遮断薬服用中の前立腺肥大症患者で、過活動膀胱症状を伴う症例に対するイミダフェナシンの併用効果とその安全性を検討した。
    >対象60症例において国際前立腺症状スコアと過活動膀胱症状スコアに有意な改善を示し、75歳以上の高齢者群でも75歳未満群と同等の有用性と安全性を示した。
    >また、残尿の観察は必要であるものの、BPHを伴うOAB患者に対して、イミダフェナシンは通常投与量(0.2mg/日)を減量することなく比較的安全に使用できることが示された。

    と要約されていて、まったくそのとおりなのだろうけど、
    この中に、前立腺体積と治療成績のデータが載っていた。

    <20ml,20-40ml,>40mlで比較したところ、
    40ml以上の群では改善が有意ではなかったとのことだった。
    また、40ml以上13例中3例に排尿困難を認め、うち2例でイミダフェナシン投薬が中止となったとのこと。

    はしょって言うと、大きな前立腺には抗コリンはあんまり良くないよってことなのかな。

    前立腺体積40ml以上というと、大きさでは中の上くらいなので、結構な数の患者さんがいると思う。

    で、なんの話かというと、最近新たに出てきたβ3アドレナリン受容体作動薬の「ベタニス」なのである。

    この薬は、抗コリンとはまた違う部位に作用する過活動膀胱治療薬なのである。
    便秘とか口渇の副作用の頻度も、作用機序上少ないはずだし、一応尿閉のリスクも少ないと考えられる。

    10月から長期処方が可能になったので、恐る恐る症例数を増やし始めたのだが、ことのほかいい感触なのだ。
    新規の患者さんもいるし、抗コリンからの変更もある。

    この薬剤は動物実験から可能性が示唆されて、創薬に至った薬剤と聞いている。
    どういった症例に最もこの薬剤が適しているのか、症例が増えていけばより知見も増えて明らかになっていくだろうけど、
    自分の手応えとしては、なんかいい感じなのである。

    というわけで、この年末年始で、
    「尿閉の既往のある前立腺肥大+OABの患者さんにベタニス使ってよかったなー」みたいなスライド作って、
    2月の研究会で発表の予定なのである。

    やることは限りなくある。せわしいせわしい。
    ねずみ年のおっさんはchyu-chyu言いながら師走もかけずりまわるのだった。



    愛媛県立中央病院で「ダ・ヴィンチ」手術始まる!

    • 2012.12.13 Thursday
    • 15:50
     いよいよ愛媛でも「ダ・ヴィンチ」によるロボット手術が始まったそうだ。
    愛媛新聞によると3例が手術施行されたとのこと。

    K先生とY先生が先頭切って立ち上げて、若い先生を引っ張っていくんだろうな。
    こういうのってチーム医療が結実する瞬間で、現場はすごい熱気あなんだろうなと想像して、正直うらましい。

    まあ、他人の芝生が青く見えるうちはオマエもまだまだだよってことなんでしょうけど。

    現時点では、適応は前立腺癌だけだが、そのうち婦人科領域にも拡大されるのかもしれない。
    愛媛大学の方にも機械は入るそうだし、今後は、前立腺がんの手術はほとんどダ・ヴィンチに置き換わるんだろうな。
    若いDrたちは大変だろうけど、こんな新しい技術を「地元・愛媛」で学べることは素晴らしい。
    でもそうなると他の病院での手術件数は激減するのだろうか?がんセンターは?とかいろいろ外野なりに考えるよなあ。

    ちなみに小線源治療(放射線)ができるのは、がんセンター・大学・日赤だ。
    だから前立腺癌治療の選択肢をあげるとき、どうしてもこの3つの病院に紹介することになってしまう。

    ・・とか一開業医が勝手にほざいてすみません。

    山中先生じゃないけど、どっかで「過去」を断ち切らんと前には進めないんですけど、
    そう考えると、最先端のロボット手術だって腹腔鏡手術の延長線上であり、そのもっと基本は解剖学と開腹手術の手技なんだけど。

    それにしても、おいらの前には古いしがらみばかりが積み重ねられていきます。
    昼から泌尿器科のタイル張替え。エレベーターの点検。職員面接。マイクの交換。今、シンナーの香りにクラクラしながら打ってるところ。
    愛はここにあると唄ったのは玉置浩二さんだったかな。
    いったいどこになにがあるんだろうな?

    本題と関係ないな、これは^^;

    幻のシロナガスクジラの尾の身

    • 2012.09.28 Friday
    • 18:36
    norianburg

     アステラス製薬で講演した。
    「Male LUTS 男性下部尿路障害」の話だ。

    このスライドは、丁度お盆のまっただ中に、丸二日かけて骨子を作った。
    それで、「ダークナイト・ライジング」に行くのが遅れたといういわくつきのものだが、まあそんなことはどうでもいいことだ。

    で、講演会は置いといて、宴席の話である。

    昨日の収穫は、

    まさに霜降りでトロける感じの「ナガスクジラの尾の身」と、
    子供の頃喰ったのとは全然別物としか思えない「鯨のベーコン」だった。
    前者は生姜醤油でいただき、後者は芥子醤油でいただいた。

    女将さんは「シロナガスクジラの尾の身が絶品ですよ」と続ける。
    「そんなもんどうやったら手に入るんですか?」
    「そうですねぇ、もう手に入らないでしょうね・・」
    それからみんなで昔給食のクジラ話に花が咲く。

    ちなみにネットで探してみるとこんな感じで、値段は3000円とか。

    kujiraonomi

    そして久々に再会した「豆腐よう」と「島らっきょ」。

    なんか赤くってセクシーな豆腐ようはちっちゃいのに艶かしく、おれを誘っているようでもある。
    島らっきょのほろ苦さは、なんか郷愁みたいな懐かしさが鼻のへんから全身に染み渡っていく。
    「おれの沖縄はここじゃああ」とまた興奮。
    旨し!旨し!旨し!

    これで、続いていた「講演」シリーズも一段落。
    そうやって、疲れた頭でも新鮮な頭でも、アルコールは平等に脳細胞を破壊してくれるのでした。

    で、締めに食べた「のり庵」にしてはあっさり系の、「ポン酢ハンバーグ」!
    ほんとに明日で店閉めるんだ。
    のりやん、明日は4時までやるよというてました。

    寂しくなるよな。

    慢性前立腺炎をめぐるちょっとしたこと

    • 2012.08.13 Monday
    • 13:19
      慢性前立腺炎ですね、とか、若い患者さんに言う。

    でもここで、こう続ける。

    「慢性」っていうのはずっと前からあるっていう意味じゃなくって、弱い炎症がくすぶってるっていう意味なんですよ。
    おしっこには明らかな炎症細胞は出ていないんですけど、前立腺の奥に炎症がくすぶっているんです、と。
    うーん、当たらずしも遠からずといった苦しい表現だが、そのように説明して、患者さんには納得してもらっている。

    「慢性」ということばは「治らない」という負のイメージに連なってゆく。
    会陰部の得も言われぬ不快感を感じている患者さんはともすればナーバスになっている。
    そこに神経が集中してるのかと思われるような患者さんにも遭遇するし・・。
    そんなヒトに余計に「治らないのではないか」という懸念を与えたくないのだ。
    でもその一方で、この病気は、ヒトより繊細な人がなるので、うまくそれと付き合ってく必要があるのですよ、とも、言っているんだけど。

    難しい。

    最近では、慢性前立腺炎と診断した人に、必ずαブロッカーも最初から加えることにしている。
    最初っからフルスロットルで行くわけだ。
    エビデンスがあるわけではないが、そのほうが効果があるような気がしている。

    それにしても、いまだに、慢性前立腺炎の病態は謎だらけだ。

    症状、尿沈渣、スコア、前立腺マッサージ(めったにしないけど)、で、診断つけて、
    αブロッカー、ニューキノロン、植物製剤、漢方薬・・時に項コリンとかも用いて治療するけど、結構手探りな部分もあったりする。

    臨床の場では、症状を緩和することが一番重要だ。
    そのために口(ムンテラというのだけど)も使えば、薬も使う。

    ずっと前に、MRの方がくださった冊子に、
    Brain functional and anatomical change in chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome
    Farmer M.A.,et al(J Urol 2011,186:117-124)というのがあった。

    慢性前立腺炎の患者さんの、脳の機能と構造の特徴をMRIで検索したものだ。
    この結果、骨盤腔内の疼痛時には、右前頭皮質内に活性化が見られ、症状と相関したという結果だったそうだ。
    考察にはこんなふうに書かれている。
    慢性的な骨盤内疼痛が脳に特異的な神経インプリントを残し、それが何年も残存することが示唆される・・。
    何か納得行くような考察である。
    症例数は19例と少ないが、こういった中枢に対するアプローチは、この疾患の症状の多彩さに対する突破口になる可能性があるかもしれない。

    昨今、慢性疼痛に対する薬剤も何種類かリリースされ、疼痛に関する研究もより一層進んでゆくことだろう。
    (ペイン・クリニック標榜してる先生も増えてるし・・)
    我々開業医も、こんがらがりながらも、新しい知見に耳を傾けながら(傾けると言うよりはアンテナ張り巡らせんと情報なんて入ってこんけど・・)、よりいっそう励んでますんで、
    まあよろしくお願いしますということで。

    そうなんですよね、もう残暑お見舞い申し上げます、だったんだ。

    *慢性前立腺炎/骨盤内疼痛症候群は、泌尿器生殖系の持続的不快感を特徴とする原因不明の疾患で、男性の5-10%で発症する。

    関係ないけど本日の病院食。

    アボルブは低リスク前立腺がんの進行を抑制する、という論文。

    • 2012.04.23 Monday
    • 08:11
      
    送られてきた「Medical Tribune」をパラパラと。
    この土日は、100周年の日本泌尿器科学会総会に横浜まで出向いていた。
    もちろん専門医更新のポイントを稼ぐのが主目的なのだが、
    教育セミナーとか聴いてると、
    こうやって日本語要約みたいな記事をナナメ読みするんじゃなくって、どかっと勉強せんといかんのよねえ、
    ・・・と一瞬は思うのだが、やはり日々に埋没してゆくのであった。

    で、デュタステリド(アボルブ)の話題を一つ。

    アボルブが出た時から、じゃあこのクスリ前立腺がん予防できるの、って、すべての泌尿器科医は思ったんじゃないだろうか。
    あとはアボルブ使ってて前立腺がん見逃さんの、という疑問も同時に生じたわけだが。

    これからエビデンスはもっともっと集積されてゆくだろうが、
    トロント大学から、「前立腺肥大治療薬デュタステリド(日本ではアボルブという商品名)は低リスク前立腺がんの進行を遅らせる可能性がある」(Lancet2012:379:1103-1111)という論文がリリースされたそうな。

    ご存知のようにアボルブは、前立腺内で、抗男性ホルモン作用をもたらす(正確には5α還元酵素阻害剤)。そのことによって肥大前立腺腺腫(前立腺肥大)の縮小をもたらすという薬剤である。
    男性ホルモン減らすんだからガンにも効いてももいいんじゃないの、ということなのである。

    REDEEM試験;
    低リスク前立腺がんで監視療法(watchful waiting)を受けている患者を2群に分けて、
    .▲椒襯孱廓間投与▲廛薀札榲衢拭,埜‘ぁ
    18カ月と3年で前立腺生検を施行して、疾患の進行度を測定する。
    進行例は、プラセボ48%に比較してデュタステリド38%と低い。またプラセボと比較してアボルブ群ではがんの発見されなかった率が優位に高かった(23%対36%)。
    経過中、前立腺がんに関連した死亡と、がんの転移は1例も認めていない。

    納得する結論ではあるが、
    じゃあ次には用量設定によってはリスクの高い前立腺がんを予防できるのか、とかいう話になるんでしょうか?
    まあ、ますます、アボルブ使いやすくなりますね(まあ価格的には決して安くはない薬なんですがね・・)

    (薬代のことですが、
    先日も、とある患者さんに、1週間でこんなに薬代するんかぁと言われてしまいました。それから新しいクスリにはジェネリックはないことやら、保険のことやらいろんなことを延々と説明しましたが・・)

    『泌尿器科とわたし』、泌尿器科とオレ!

    • 2012.03.27 Tuesday
    • 12:38

     日本泌尿器科学会が募った、体験手記・エッセーをまとめた小冊子が送られてきた。
    『泌尿器科とわたし』というものだ。
    日本泌尿器科学会ができて100年の記念というわけだ。

    それと全く関係ないんだけれど、4月に横浜である泌尿器科学会総会には、久々に、たった一日ではあるけど出かけることになっている。

    デジタル化のため、カセットテープからパソコンに音を送りながら、
    原田芳雄さんの歌声で聴いた『横浜ホンキートンクブルース』の横浜である。

    さて、内容は多岐に渡る。

    脊髄損傷による神経因性膀胱、二分脊椎の女の子が休み時間も必死でトイレで排尿処理をして友達に話せない話、泌尿器科医を夫に持つ妻から見た泌尿器科というもの、
    間質性膀胱炎の人にわかってもらえぬ苦しみ、尿閉を繰り返した男性の話、予期せぬ精巣腫瘍、前立腺癌、膀胱腫瘍・・まさになんでもありだ。
    自分はいつも治療者側なので、余計に興味深く読んだ。

    自分が学生の時の話だ。
    鎖骨骨折の手術待ちで大学の整形外科に入院した。
    はじめての入院。二人部屋をたまたまひとりで占拠していたなんか興奮した第一夜、その夜中に、急遽、脊髄損傷の男の方が入院となった。
    シャベルカーとかが崩れ落ちての事故だったらしい。
    かたや河原で花見してて、合気道部のやつにふざけて投げられて鎖骨を折ったのんきな自分、
    その横の家族は陰鬱なムードで、(一応)医学生である自分にあれやこれや病気のことやこれから先のことや尋ねてきた。
    知識のなかった自分はろくに答えられず・・・最後には言葉に窮したものだった。

    それから何年後か、自己導尿で通院している彼と、たまたま、大学の泌尿器科外来の廊下で再会した。
    彼は、もう仕事はね、こんな身体だから出来んのよ、あの時の子供ももう大きくなったよ、そうかねもうちょっとで先生やね、と笑った。
    その時ポリクリ(臨床実習)の学生だった自分は、ああ、あの時、この病気のコトとかそれに付随するもののことなんて、自分はなんにもわかっちゃいなかったんだと痛感したものだった。

    そんなことやあんなこと、いろんな思い出が一瞬ずつ蘇った。

    いずれにせよ人間はひとりで生きて行きたくっても、ひとりで生きていくことなんてできない。
    誰かの助けになり、その自分が誰かを助けて、生きてゆくのだ。
    泌尿器科たる自分もそうやってきたつもりだ。
    いまからだってそうやっていくだろう。
    それらがうまくゆかない時もある、逆におどろくほどスムースに行って医者冥利につきる時もある。
    でもそれは、医療を受けられる患者さんの方だって同じだったんだ。
    そんなことをいまさらのように気付かされる。
    だから、だかれでも、それゆえに力まなければならないなんてことはないのだ。前を向いてちょっとでも進めてるかぎりは。

    まえがきで、九大の内藤誠二教授がこんなふうに書かれている。

    原稿の多くは泌尿器科”がん”に関するものであろうと予想していましたが、以外に排尿障害に関するものが多かったのにまた驚かされました。
    (略)いかに”おしっこ”の問題がQOL(生活の質)を脅かす辛いものかを改めて考えさせられました。
    泌尿器科の最も泌尿器科たるところは、何といっても”おしっこ”の問題の解決にあると再認識した次第です。

    もううちの娘は言ったことさえ忘れてるだろう、
    『(お父さんは)おちんちんとおしっこのお医者さんです』という最大級の褒め言葉を掲げながら、
    自分も泌尿器科としていけるとこまでいけたらといまさらのように思う。

    竹内先生が天に召されたということと李白の『捉月伝説』と。

    • 2012.03.23 Friday
    • 18:26
     rihaku竹内先生の葬儀のミサで、牧師さんは先生のことを『兄弟』と呼んだ。
    人類はみんな運命共同体であり、同じ船に乗っているという点で考えれば、たしかに兄弟だなあ。
    ちょっといいコトバかも、兄弟。
    兄弟、ちょっとそこのコップとってくれよ。兄弟、明日また会おうな。なんかいい。
    兄弟は、地上での生活を終えられて天に召されました。
    牧師さんは先生のプロフィールを語られ、最後にそう締めくくった。

    神も仏にも執着のない自分だが、なんか牧師さんのその話だけすっと腑に落ちた。
    どうしてかはわからない。
    先生の長い長い闘病生活がやっと終わったんだという安堵からなのかもしれない。
    いや、三途の川を渡って蓮の花咲くところに行くのではなく、なんか天使が手を引いて天に登っていくというイメージのほうが自分にとって違和感なく受け入れやすかっただけなのかもしれない。

    そこで『李白捉月』の話を思い出した。(『李白の月』南伸坊 ちくま文庫より)

    晩年、李白は、当塗の近くで長江に船を浮かべ酒を飲み詩を詠じていたときに、水面に映った月を取ろうとして溺れ死んだという「捉月伝説」である。

    南伸坊さんの漫画のほうではこうなっている。

      その晩も詩人はひどく酩酊していた
      月が川面に揺れるのを掬いとろうとするらしかった
      旦那様、いい月ですね
      ・・・・・・・・
      グラリと舟が傾き船頭は目のはしに
      詩人が大きく身を翻すのを見た
      不思議なことに水音が聞こえなかった 

    注釈で、南伸坊さんはこんなふうに書いた。

    酒仙、詩仙、謫仙と評された李白は、あるいは麒麟にまたがり、あるいは酒瓶によりかかった姿で描かれて、歴代の仙人の仲間に数えられているというのに、こんなにやすやすと溺死してしまうのはいかがなものか?
    私の解釈はつまり、船頭の見た水中へ沈んでいく李白の姿は、すなわち月に向かって昇仙する李白の、水に映った影のほうであったとそういう「落ち」であったのです。

    竹内先生は、ゆらゆらと水の中を月に向かって登って行かれたのだ、と、そんな光景を思い浮かべて、なんだか腑に落ちた。
    その手をひいてくれてたのが天女だったりすると、いかにも先生らしいよな、とか、ひとりで余計腑に落ちたりもしたのだった。

    うん。

    ご冥福をお祈りします。

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